半導体製造に関心持って TSMC進出の熊本県がガイドブック 高校新入生らに配布

半導体の製造過程などをまとめた高校生向けのガイドブック

 熊本県北地域を中心に台湾積体電路製造(TSMC)など半導体関連企業の集積が進む中、県教育委員会は高校生に関心を持ってもらおうと、半導体の製造過程や製造に関わる人材などを紹介するガイドブックを作製した。県立高全50校の新入生と教職員に配布する。

 作製には工業専門の教諭ら約10人が携わった。「半導体ってそもそも何?」「何でできているの?」「どこに使われているの?」といった問答集で基本的な知識の理解を促し、半導体の製造過程の「前工程」と「後工程」を図入りで示した。

 半導体の材料をつくる人や半導体を製造する装置を操作する人、製品の品質を確認する人など、半導体に関わる業務内容を詳しく紹介。県内の半導体企業の社員にインタビューし、仕事の内容や高校生へのメッセージなどをまとめた記事のほか、県内に進出している主要企業を立地自治体ごとに紹介した地図も盛り込んだ。

 ガイドブックはA4判で15㌻。1万3千部を作製し、費用は約350万円。県教委のホームページでも無料で閲覧できる。

 高校教育課は「半導体にはさまざまな役割の人が関わっており、それを知ることで進路の幅も広がる。1人1台貸与しているタブレット端末も活用して、ネットでも見てほしい」と呼びかけている。(後藤幸樹)

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