熊本・八代市、妙見宮周辺を「景観重点地区」に 秋季例大祭は無形文化遺産 門前町の歴史生かす

八代市の景観重点地区に指定された八代神社(妙見宮)前の市道=10日、同市

 熊本県八代市は1日付で、八代神社(妙見宮)周辺を市景観条例に基づく「景観重点地区」に指定した。重点地区指定は初めてで、建物の高さ規制、街並みとなじむ建築資材使用の推奨などを通じ、門前町の歴史を生かした景観づくりを目指す。

 条例は2019年度施行。市景観計画で、重点地区の候補地に神社周辺を明記していた。住民と対象範囲や景観形成の基準をすり合わせた上で指定した。

 重点地区の大半は宮地町で、国道3号から八代神社へと延びる約900メートルに面した範囲は門前町の風情が残る。神社の秋季例大祭の八代妙見祭は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産にも登録され、多くの人でにぎわう。

 今後は、眺望を守るために建物の高さを10メートル以下に抑え、建材にしっくいか板張りを推奨する。25年度からは新改築時などに市への届け出が必要となる。

 まちづくり協議会みやじの盛髙経博副会長(52)は「地元の歴史や文化が認められ、誇りに思う」。市建設政策課は「周辺や市全体の魅力向上につなげたい」としている。(河内正一郎)

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