「ランドセル商戦」熊本県内各店で早くも熱気 来春の新入生向け 環境配慮やジェンダーレス… 多用なニーズに対応

「コデラ」のランドセル売り場。商戦は年々早まっているという=4日、熊本市南区

 来春、小学校に入学する子ども向けのランドセル商戦が、熊本県内で早くも始まった。好みの多様化で、色やデザインを自由に選べる種類豊富な商品が店頭に並んでいる。

 ランドセルは受注生産が主流のため、早めにお気に入りを確保しようとする家庭が多く、商戦は年々早まっているという。

 イオン熊本店(嘉島町)は5日、2階特設売り場で受注販売を開始。色とりどりの約400種類が並び、軽さや背負いやすさといった機能性を重視したものが目立つ。「本体や内装の色を自分好みにカスタマイズできるものもある」と売り場担当者。

 環境に配慮した再生ポリエステルを素材に使用した780グラムの超軽量リュック型や、かぶせ部分をファスナーで開閉し、開口部が広く教科書の出し入れがしやすいスタイリッシュな〝次世代型〟も登場し、選択肢がさらに広がっている。

 玩具店の「コデラ」(熊本市南区)は通年見本を置いており、売り場担当者は「骨格は一人一人違う。自分に合ったものを見つけるために、店頭でぜひ試してみて」とアドバイス。商戦中は約250種類を並べ、9月まで予約を受け付ける。

ファスナーで開閉し教科書の出し入れがしやすいイオンのランドセル=5日、嘉島町

 鶴屋百貨店(同市中央区)は、昨年と同時期の5日に受注会を始めた。性別にとらわれない「ジェンダーレス」や、本体に刺しゅうや装飾を施したものなど221種類を取り扱い、百貨店協会認定の「ランドセルアドバイザー」が商品選びをサポートする。

 来春入学する同市南区の男児(5)は、「好きな色がたくさんあってわくわくした」とにっこり。売り場担当者は「色の種類が昨年に比べて増えている。子ども自身が納得するものを選んでほしい」と話した。

 価格帯はいずれも6万円台が中心。ランドセル商戦は、ゴールデンウイークをピークに秋ごろまで続く。(岩崎皓太)

鶴屋百貨店の「ランドセル受注会」でお気に入りの商品を背負ってみる子ども=5日、熊本市中央区

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