日本版ライドシェアに意欲 国交相との対談で三重県知事

【斉藤大臣(右)とオンラインで対談する一見知事】

 一見勝之三重県知事は11日夜、イタリア滞在中の斉藤鉄夫国土交通相とオンラインで対談し、都内などで始まっている「日本版ライドシェア」(自家用車活用事業)を、今夏にも志摩市内で実証的に運用する意向を示した。

 県によると、志摩市内では夜間のタクシーが少なく、観光客の移動に課題がある。ライドシェアを導入することで観光施設などへのアクセス性を高め、観光地消費額の向上につなげたい考え。

 人材の確保や配車システムの整備などを経て、道路運送法に基づく国の許可を得る方針。実証は数カ月間にわたって夜間に実施する想定。効果などを検証した上で本格運用の可否を検討する。

 一見知事は対談で、志摩市でのライドシェアについて「できれば夏から実施したい。中部運輸局とも話をしている。人口減、高齢化で地域の交通は喫緊の課題。指導を頂戴したい」と述べた。

 斉藤大臣は昨年6月に志摩市内で開いたG7三重・伊勢志摩交通大臣会合での議論をまとめた政策集を、各国の大臣らに配ると紹介。「公共交通の維持や発展に引き続き力添えを」と求めた。

 一見知事はG7三重・伊勢志摩交通大臣会合について「大臣と交流した若い世代が喜んでいた。三重の魅力発信につながった」と改めて感謝。経済効果が98億円に上ったことも紹介した。

 対談はイタリア・ミラノで開催中のG7(主要七カ国)交通大臣会合に合わせて実施。上京中の一見知事は首都圏営業拠点「三重テラス」から、斉藤大臣はミラノから出席した。

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