ゆいレールの乗客数が過去最高に コロナ禍から回復、奏功した戦略は【4月6日~12日 タイムス+プラスから】

 

 新年度が始まり2週間。徐々に新しい生活に慣れてきた方も多いのではないでしょうか。

 今週は、約2カ月ぶりにダムの貯水率が50%台にまで回復するという、県民にとってうれしいニュースがありました。

ダム貯水率が50%台に回復

 私自身、沖縄自動車道で北部へ行くたびに、漢那ダムの赤土があらわになった状況を見てヤキモキしていたため、「貯水率5割超え」のニュースにホッとしました。社会部の気象担当の記者は「天気が悪くてうれしいのは人生で初めてです」と笑顔を見せていました。

4月6日の大宜味村の大保ダム=名護大輝撮影

 貯水量が減ったことで、ダム湖底に眠る旧倉敷集落の「ウヮーフール」跡が見えているという記事も関心を集めました。「ウヮーフール」とタイピングするのも難しいのですが、どう発音するのでしょうか。この記事をきっかけに、家族や地域の高齢者などに聞いてみるのもいいかもしれません。

 一方で、平年値に比べるとまだ20ポイント近く下回っています。県企業局の担当者は「回復傾向にあるが、今後も節水は必要」と呼びかけています。県民、観光客も含めて節水の協力が欠かせない状況はしばらく続きそうです。

2023年度の乗客数 最多を更新

 さて、今週のデジ編チョイスで続いて取り上げるのは、沖縄都市モノレール「ゆいレール」の2023年度の乗客数が過去最多となったニュースです。県内唯一の鉄軌道で、2023年12月には累計乗客数が3億人を突破するなど、県民や観光客の交通手段として親しまれています。

 新型コロナウイルスの影響で、一時は乗客数が落ち込みましたが、コロナの影響が落ちつくにつれて乗客数は回復。ゆいレール開通20周年となった2023年8月に、3両編成車両を導入するなど、時宜にかなった戦略が奏功した形です。今後、外国人客の増加が見込まれるため、さらに3両編成車両を導入して需要に対応する予定です。

(資料写真)3両編成と2両編成のゆいレール=沖縄県那覇市

直近10年の経済効果は1兆769億円

 りゅうぎん総合研究所と国建の調査では、ゆいレールの2013年度から2022年度までの10年間の経済効果は1兆769億円に上ると試算しています。開業した2003年から2012年度までの開業当初の10年間と直近の10年間を比べると、経済効果は1.4倍、乗客数は1.3倍に増加。乗客数が増えたほか、区間延長の建設工事費の増加や駅周辺での投資額の増加などが背景にあると考えられます。

 今後、バスやタクシーなどの公共交通機関との乗り換えのしやすさなどの課題を解決していけるかが、さらなる乗客数を伸ばす一つの鍵となりそうです。

漫画「キングダム」 キャラ作りの秘けつ

 最後におすすめしたいのは、大人気漫画「キングダム」(集英社)の作者・原泰久さんのロングインタビュー。キングダム、大大大ファンです。キャラ作りについての考え方や、私が一番お気に入りキャラの王騎大将軍についても言及しています。絵を上達させるために、プロとして長期連載を続けていくために大事なことなど、読み応え抜群です。

「キングダム展-信-」への来場を呼びかける作者の原泰久さん=3月21日、那覇市の県立博物館・美術館

 週末は「キングダム」を、また1巻から一気読みしよーっと。では、今週のデジ編チョイスはこの辺で。デジタル編集部の川野百合子がお届けしました。

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