多様な働き方に理解 山形で研修医歓迎レセプション

研修医約120人が医師としての多様な働き方への理解を深めた歓迎レセプション=山形市・ホテルメトロポリタン山形

 県内で2年間の臨床研修に取り組む初期研修医の歓迎レセプションが12日、山形市のホテルメトロポリタン山形で開かれた。研修医約120人が結婚、出産などのライフステージの変化に応じた多様な働き方への理解を深めた。

 山形大医学部眼科学講座教授の杉本昌彦さんと、妻で三重大大学院血液・腫瘍内科学講座准教授の由香さんが「私たちの30年」と題して講演した。男性(夫・父)と女性(妻・母)それぞれの立場から、女性医師の労働環境整備などに関する見解を述べた。

 由香さんは、幼い娘を連れて昌彦さんの米国留学に同行し、当初は家事に専念していたが、医師の仕事が自己実現のための大きな要素と実感し、現地の研究に参加した経験を紹介した。「女性だから」といった固定観念を捨て、それぞれが希望する生き方に応じた支援の重要性を強調し、「働きやすさも大事だが、長く仕事を続けるには『働きがい』も重要」と説いた。

 レセプションは研修終了後の県内定着を図ろうと、県医師会と蔵王協議会、県が主催し、新型コロナウイルス禍を経て5年ぶりに開かれた。中目千之(なかのめちゆき)県医師会長が医師会に入会するメリットを紹介したほか、地域の魅力を知ってもらうために「『ラーメンの聖地、山形市』を創る協議会」による講演やラーメンの振る舞いを企画した。

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