【スターダム】林下詩美、ラストマッチで黄金世代から強烈な餞別「痛すぎる…ちょっとやり過ぎだわ」

豪快なトーチャーラックボムを決める林下【写真:(C)スターダム】

唯一の同期、飯田が林下に一矢報いる大勝利

スターダムが4.12に後楽園ホール大会『STARDOM in KORAKUEN 2024 Apr.』を開催。林下詩美とジュリアが3月末に退団、フリーとしてスターダム最終試合に臨む大会とあって、注目を集めていた本大会。林下のラストマッチは、AphroditEのパートナーにしてQueen’s Questの盟友・上谷沙弥とのタッグで、現ワールド・オブ・スターダム王者の舞華(E neXus V)&飯田沙耶(STARS)組とのマッチアップ。スターダムの「黄金世代」と呼ばれる4人の対決は、どのような結末を迎えるのか。

林下は2018年8月12日に後楽園ホールでデビュー。以来、スターダム一筋で活躍し、コロナ渦においてワールド・オブ・スターダム王者として絶対的な強さを誇った。渡辺桃や上谷とのタッグでも活躍し、幾度となくゴッデス・オブ・スターダム王座にも輝いた。その林下が、新たな自分の道を模索するため3月いっぱいでスターダムを退団し、フリーとしてスターダムラストマッチを迎えた。

最初に入場したのはAphroditE。大声援で迎えられた林下は、スターダムのリングとの別れを惜しむかのようにいつもよりもゆっくりと入場する。一方の舞華組は早々に入場するも、赤いベルトをアピールすることを忘れない。

がっちり握手を交わす両チーム。先発はもちろん、林下と舞華。詩美コールと舞華コールが交差する。腕の取り合い、ヘッドロック、首投げといった基本技の応酬があり、舞華が詩美をコーナーに振るとなぜか上谷も加勢。林下にトリプルドロップキックまで決めてしまう。怒った(?)林下は上谷をボディスラムで投げてお返し。これはラストマッチならではの光景か。

その後はAphroditEが優位に試合を進め、林下の攻撃に飯田が悶絶する場面が増える。しかし飯田もパワフルさでは負けていない。しっかりと反撃し舞華につなぐ。ここからは林下と舞華のマッチアップとなり、お互いの意地をぶつけ合うような攻防が続く。ラリアットの応酬に打ち勝った舞華は炎華落としを狙うも、林下が投げっぱなしジャーマンで反撃。林下がトップロープからの攻撃を狙うも、舞華は上谷も捕まえて二人を投げ切る摩周を炸裂させる。そして飯田にタッチすると、林下に数えきれないほどのチョップを浴びせ、会場をヒートアップさせる。AphroditEは得意の連携で徐々にペースを取り戻していき、林下は飯田に特にコウモリ吊り落としを決める。飯田の反撃は上谷がカット、舞華と飯田を場外に落とし、スワンダイブ式プランチャへ。

試合を託された林下は、飯田にジャーマンスープレックスからトーチャーラックボムを狙うが、飯田が飯田橋で切り返す。しかし、AphroditEはマジックキラーを決め、林下は改めてトーチャーラックボムへ。ここは舞華がカットし、AphroditEの連携技を食らっている間に飯田が蘇生。ダブルラリアットでAphroditEを吹っ飛ばす。その後林下と飯田のエルボーのラリーから、飯田はとんでもない勢いの頭突きを林下のあごに決め、舞華が担いだ林下にトップロープからの頭突きも決める。そして林下の力が完全に抜ける勢いで決まったラリアットを挟んで達者でな!(キン肉バスターの体勢から前方に頭から落とす荒技)を発射。飯田が林下からスリーカウントを奪った(19分9秒)。

4人そろってコメントを出し感極まる黄金世代【写真:橋場了吾】

パートナー上谷の計らいで5分1本勝負のシングルマッチが急遽実現

試合後立ち上がれない林下はせき込みながらもマイクを握り、「痛すぎるかな……これが餞別ならちょっとやり過ぎだわ。この黄金世代の時代にプロレスをやっていて、本当幸せだわ。ひめかみたいなデカくてかわいいやつに出会ってプロレスが楽しいと思えたし、舞華のようなライバルがいて、私のプロレス人生が輝いた、ありがとう。飯田、たった二人のスターダム10期生。飯田の活躍は私の幸せだから、これから楽しみにしてるよ。そして上谷、ずっと隣にいてくれて毎日が凄く楽しかった、ありがとう。思い残すことはないです、皆さんありがとうございました」とマイク。

上谷は「詩美さんと組めてAphroditE、最高だなって。でも私、やり残したことがあるんですよ……シングルマッチ!皆さんも見たいですよね!」と叫ぶも、林下は嫌がる顔をする。ここで岡田社長が5分のシングルマッチを行うという大英断。

疲労困憊の林下だが、最後の力を振り絞り戦い続ける。上谷も林下超えのチャンスとばかりに攻撃を仕掛けるも、2試合目とあって二人ともなかなか勝負に行けない。残り2分、手を握りながらエルボーを打ちあう二人。林下が打ち勝ったに見えたが、掌底からブート、スピンキック、ロビンソンスペシャルを決める上谷。残り30秒、林下の見事なジャーマンが決まるもカウント2。その後上谷はフランケンシュタイナーを決めるも、フォールに行かずエルボーを打ち続け、時間切れ引き分けのゴングが鳴った。

疲労困憊の林下に舞華が「本当に悔いはないか?」と問いかけ、「リングが変わっても、我々は変わらない。黄金世代第2章だ!」と叫ぶ。飯田は「我々黄金世代がリングに上がる限り、咲き続けて散ることなく、あなた方の目の前で弾けまくるぜ! 黄金世代は終わらねえ! 詩美、最後に言いたいことがあるんだけどさ……みんなで送り出そうぜ! 詩美!(後楽園ホール全体で)達者でな!」で締めくくった。ENCOUNT編集部

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