裁判官にほそぼそと「イエス」 渦中の容疑者、感情見せず

12日、米ロサンゼルスの連邦地裁に出廷した水原一平容疑者(手前左)を描いた法廷スケッチ(Bill Robles氏提供、AP=共同)

 【ロサンゼルス共同】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手の元通訳で、違法賭博問題の渦中にあった水原一平容疑者が12日、公の場に姿を見せた。ロサンゼルスの連邦地裁に出廷すると、ゆっくりとした足取りで弁護士のフリードマン氏の横に着席。裁判官の問いかけに、ほそぼそとした声で「イエス」と繰り返した。感情はうかがえなかった。

 巨額の不正送金容疑は米国でも注目を集める。連邦地裁前にはテレビカメラが並び、約60人分の傍聴席は記者らで埋まった。スーツ姿の水原容疑者は、3月のソウルでの開幕戦で姿を見せた時と外見に大きな変化はなかった。きょろきょろと周囲を見た後、背中を少し丸めてフリードマン氏の言葉に耳を傾け、何度も首を縦に振った。

 裁判官に促されて証言台の前に立ち、両手を腰の前で合わせて保釈条件を聞いた。賭博をせず、いかなる胴元とも接触しないことを説明されるとうなずいた。閉廷間際、裁判官に小さな声で「サンキュー」と述べ、軽くお辞儀した。

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