“県内初”がリニューアル 苦境の道の駅「両神温泉薬師の湯」 休憩スペース拡充 長居できる空間に

秩父産の木材を使用した、くつろぎスペース=10日、埼玉県小鹿野町両神薄の道の駅「両神温泉薬師の湯」

 埼玉県小鹿野町両神薄の道の駅「両神温泉薬師の湯」がリニューアルオープンした。温泉と食堂の共有スペースを秩父産の木材を使って改修し、森の癒やし空間を演出。10日に記念式典が行われ、森真太郎町長は「幅広い世代が利用しやすい施設へと生まれ変わった。これからの観光シーズンに多くの利用者に訪れてもらえるよう、サービス向上に努めてほしい」と従業員を激励した。

 同道の駅は、県内初の日帰り温泉施設として1991年に開業。大展望風呂や食堂、休憩室のほか、農林産物直売所が併設している。昨年度の入浴者数は約5万人。開業当初は集客、売り上げともに好調だったが、近隣に類似施設ができた影響もあり、ここ数年は赤字経営が続いている。

 今回のリニューアルは、若者や子育て世代の集客力向上が狙い。開業後初となる大規模改修工事で、事業費は約4千万円。施設内の壁面や外壁を自然が香るスギなどの木材に変え、入浴後も長居できる空間づくりにこだわった。

 休憩スペースには、リラックスチェアや町内の観光地を紹介する大型モニターを設置。48畳の広間には巨大な本棚を設け、自然ガイドブックや児童書、絵本など計約500冊をそろえた。食堂はウッドフロア化し、登山者やバイク利用者も靴を履いたまま立ち寄れるようにした。

 同道の駅は2022年度から、「株式会社地域商社おがの」が指定管理者を担当。今年4月に同社執行役員に就任した久保聡さん(62)は「利用客を心からもてなし、人が人を呼ぶ仕組みづくりを進めていきたい」と話した。

 温泉施設の営業時間は午前10時~午後8時。入館料は一般が税込み700円、小学生以下は300円。火曜定休。

 問い合わせは、両神温泉薬師の湯(電話0494.79.1533)へ。

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