同組のJTが命運…冷や汗ダボも“劇的通過” 松山英樹が週末へ滑り込み

決勝ラウンドに進む松山英樹(撮影:GettyImages)

<マスターズ 2日目◇12日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>

トータル4オーバーで最終18番のティに入った松山英樹。その時点でのカットラインは『+5』だったため、ここをボギーまでで切り抜ければ決勝ラウンドに進出できるという状況だったが、最後の最後でまさかの事態に陥った。

左の木に当たったティショットが、そのはじまり。このドライバーショットは飛距離150ヤードにも及ばず、パー4ながら2打目は3番ウッドを強振せざるを得ないほどだった。それをグリーン近くのフェアウェイまで運んだが、続く3打目のアプローチは強風に戻されるように、手前の花道に落ちた。さらにそこからもピン奥4メートルほどと寄せきれず、結果は4オン2パットのダブルボギーを喫した。

「難しかったですね」。午後1時24分のスタートから、すでにコースには強い風が吹き込むタフなコンディションだった。2番で9メートルのバーディパットを沈めたが、3番、4番で連続ボギーを叩くなど前半は3バーディ・3ボギー。一進一退の展開が続く。11、12、13番のアーメンコーナーにさしかかる頃には、さらに風は強まり、砂ぼこりがあがるなかでのプレーも強いられることに。それでもこの難所で3つパーを並べるなど、なんとかガマンを続けていた。

スタート時点のスコアは4オーバー。予選カットラインもちらつきそうだが、「(リーダーボードは)見てなかった。見たのは17番くらい」と集中を続けた。その17番パー4は、1メートルとしびれるパーパットを沈めた場所。こうして迎えた18番だっただけに、「最後もパーで行けたらなと。ピンポジション的にフェアウェイに置ければと思っていたけど、残念な結果になりましたね」と悔いも残る。

最後のダブルボギーパットを入れた瞬間、予選カットラインに1打及ばない位置に後退した。しかし、ここからが“勝負のあや”といえる。トータル5オーバーで18番を迎えた同組のジャスティン・トーマス(米国)が、ダブルボギーを叩いて圏外に落ちたことで順位が変動。この影響でカットラインも6オーバーに下がった。

松山がホールアウトした時には、まだ後続がプレーしていたため、週末行きへ予断を許さない状況だった。それはあすのプレーについて聞かれても、「“あれば”頑張ります」としか言えないほど。しかし全組がプレーを終え、50位タイと順位が確定。薄氷、紙一重…そんなスリリングな決勝進出劇になった。

2014年大会以来、自身2度目の予選落ちは免れ、4日間プレーする権利を残した。ラウンド後は、松山以外に選手はいない練習グリーンで初日、2日目の苦戦の原因にもなっているパッティングを15分ほど確認し帰路についた。あすは第1組でリッキー・ファウラー(米国)とともにコースに飛び出す。窮地からは這い上がった。あとは少しでも上位でフィニッシュすることを目指していく。(文・間宮輝憲)

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