犬に無理強いしてはいけない『人間の習慣』4選 良かれと思ってやっていることが悪影響を与えることも

1.毎日お風呂に入れる

私たち人間は、毎日お風呂に入ることが多いと思いますが、それを犬にも当てはめて考えることはNGです。

犬も毎日散歩に行きますし、トイレを失敗することなどもあり、どうしても足や体は汚れてしまいます。きれい好きな飼い主さんは、そのような犬を見てこまめに洗って清潔にしたいと思うこともあるのではないでしょうか?

しかし、犬の体を頻繁に洗ってしまうと、皮膚トラブルの原因となる可能性があるので注意しなければなりません。

犬の皮膚は人間に比べると約3分の1程度の薄さで、とてもデリケートです。頻繁に洗うと皮膚を守るために必要な皮脂が洗い流されて、乾燥したり刺激に弱い状態になってしまいます。

そのため、皮膚の健康を維持しながら清潔にしたいのであれば、1か月に1回を目安に洗うようにしてください。激しく汚れてしまった場合は、部分的に洗い流したり濡れたタオルで表面を拭き取ったりするようにしましょう。

ただし、皮膚疾患などに治療のために、薬用シャンプーを処方されている場合はこの限りではありません。獣医師の従って適切に使用してください。

2.常に服を着させる

最近では、犬の洋服やアクセサリーなどが非常に豊富で、可愛いものがたくさん販売されています。愛犬に似合うファッションアイテムを見つけると、つい買って着せたくなるという飼い主さんも多いと思います。

しかし、1日中常に洋服を着せっぱなしにしておくのは、あまりおすすめできません。老犬や病後の犬など、特別な事情がない健康な成犬であれば、洋服を着させない状態で皮膚を日光や空気に触れさせることも大切です。

極端な寒さでなければ、ある程度寒さを体感させることも必要です。そうすることで季節に適した被毛の生え変わりが正常におこなわれるようになります。

また、過度な装飾や動きを妨げるようなデザインの洋服は、犬の健康と安全を守るために控えるようにしましょう。
洋服は季節や体調、シーンに応じて上手に活用してください。

3.お出かけに常に連れて行く

愛犬を留守番させるのがかわいそうだと思い、お出かけするときにはいつでもどこでも連れて行くという飼い主さんもいます。

確かに、長い時間留守番ばかりさせているとストレスの原因になってしまいますし、犬がのびのびと遊べる公園や自然の中に連れて行ってあげるのはとてもいいことだと思います。

しかし、混雑している人混みや自由に動きにくい街中などに犬を連れて行っても、犬は不安やストレスを抱える可能性があります。さらに、心配だからと連れて歩くものの、店内には入れられず店先につないでおいたり、車内で待たせたりするのは大変危険です。

多少の時間であれば、犬は安心できる家で快適に過ごしている方がいい場合もあります。一緒にお出かけすることも楽しいですが、状況によっては環境の整った自宅で留守番をさせるという選択もするようにしましょう。

4.部屋でアロマやお香を焚く

アロマやお香、ルームフレグランスを使って、部屋の中をいい香りにしている飼い主さんもいるかもしれません。

確かに人間にとってそのような香りは、とても心地良いものです。しかし、嗅覚が敏感な犬にとって、人工的な香りは刺激的で不快に感じることもあります。

そのため、犬が日常的に過ごす部屋では、強すぎる香りのものを使用するのは控えてあげましょう。

まとめ

犬を家族のように感じている飼い主さんはとても多いでしょう。

しかし、犬はあくまでも「犬」であり、人間とは異なる動物です。犬を大切に思うのであれば、人間の習慣や都合を押し付けるのではなく、犬にとって本当に必要なことをしてあげることが大切です。

愛犬を本当に幸せにするためにも、『犬にとって何が必要でどんなことが負担になるのか』ということをしっかりと考えてあげましょう。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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