「教科書通りのギャンブル依存症だ」 水原氏は-62億円でも止まらず…米メディアが指摘した背景

水原一平容疑者【写真:Getty Images】

水原容疑者が約62億円の損失を出した過程に着目

米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手の通訳を務めていた水原一平容疑者が12日(日本時間13日)、米ロサンゼルスの連邦地裁に出廷し、3月20日に巨額の違法賭博に関与した疑惑で解雇されて以来初めて公の場に姿を見せた。11日(同12日)に公開された訴状では、水原氏が賭博にのめりこんでいく過程が詳細に記されており、米国の司会者は「教科書通りのギャンブル依存症だ」と驚きをもって紹介している。

米スポーツ専門局「FOXスポーツ」の番組「ザ・カートン・ショー」でホストを務めるクレイグ・カートン氏が、自身のX(旧ツイッター)につづったもの。

「オオタニは、ミズハラがあのレベルでギャンブルをしていたのを知らなかったかもしれないということに驚かないで。憑りつかれたギャンブラーは、ワールドクラスの嘘つきで隠匿者だ。記録を読むと、教科書通りのギャンブル依存症だ。限度額引き上げのために頼む、または懇願している…」と冷静に水原氏の行動を分析している。

訴状によれば、水原容疑者は2021年9月に賭博を始め、2年あまりの間に総額4067万8436ドル(約62億3320万円)の損失を出した。22年1月ごろからこの違法賭博の胴元に対し、限度額の押し上げを求めるテキストメッセージを送っており、同年3月10日に「無謀になってしまうから」と一度は限度額を下げるよう求めていた。

自分の財力をはるかに超える支払いも「心配する必要はないよ!!」

しかし5月になると、100万ドル(約1億5300万円)以上の損失がありながらも、胴元は限度額を押し上げ続けた。11月14日に水原容疑者は「僕はスポーツ賭博が下手すぎるようだね(笑)……限度額、また広げられない? 知っての通り、返済しないことを心配する必要はないよ!!」とのテキストメッセージを送信していた。

さらに水原容疑者は、2023年になっても6月22日から24日まで3日連続で限度額の押し上げを要求していた。「これがしばらくの間で最後になるはず」「最後だと約束する」「最後の最後の最後の限度額押し上げできない? 本当に最後だから」とまるで懇願するかのような文面も明らかにされている。

依存症の怖さが浮き彫りになり、カートン氏は「過去の悪い負けで自虐的になり、自分の財力をはるかに超えた定期的な支払いを約束する。大学サッカーのような非主流のスポーツに賭ける。金額はさまざまで1日25回、累計1万9000回にも上る賭けをする」ような水原氏の行動は、典型的なギャンブル依存症のそれだと紹介した。

続けて「驚くべきことに、野球に関する賭けの証拠はまだなく、オオタニが彼の銀行のことを知らなかったという意見と同様に私を驚かせた」とし、賭けを止められない状況に陥りながらも、野球を対象としなかったことを不思議がっている。

THE ANSWER編集部

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