近年、ネットを騒がせている大問題が、旧ジャニーズ事務所の新会社「STARTO ENTERTAINMENT」の船出のタイミングでも起きてしまった――。
4月10日、STARTO社による初の大型ライブイベント『WE ARE! Let‘s get the party STARTO!!』が東京ドームで開催された。
SUPER EIGHT、KAT-TUN、Hey!Say!JUMP、Kis-My-Ft2、timelesz、A.B.C-Z、WEST.、King&Prince、SixTONES、Snow Man、なにわ男子、Travis Japan、Aぇ!groupの13組が出演し全42曲を歌い上げた大盛況のイベント。
門出のライブを機に新事務所が本格始動した一方でネット、特にX(旧ツイッター)では思わぬ騒動が起きていた。
「1つは、今回に限らずですが、Xユーザーの間で問題視され続けている“インプレゾンビ”が例によって大量に発生したことです。
Xの有料プランでは、ポストのインプレッション(閲覧数)に応じて収益を得るシステムが昨年8月に導入されましたが、これが要因でインプレ目当てにバズったワードを手あたり次第にコピペなどして投稿しまくるアカウントが大量発生。まるでゾンビのように同じワードをコピペするユーザーが大量に湧いて出るから、“ゾンビ”と評されています」(WEBライター)
東京ドームライブ『WE ARE!』はSTARTO社の門出ということで大いに注目されていたイベントだけにXで関連ワードをポストするユーザーは多く、やはりインプレゾンビが発生。
さらにそれと連動して、『WE ARE!』の開催と同時に大量発生した偽サイトの存在も問題視されている。
4月5日ごろからXでは複数の偽アカウントが公式と同様の投稿を繰り返していて、騙されてクレジットカードなどの個人情報を登録してしまった被害者の声が、Xに多く寄せられている。
■公式が注意喚起をする事態に
前出のWEBライターも、あわや被害に遭いかけたという。
「“偽の『WE ARE!』アカウント”のリンクから、いかにもライブの生配信用の特設ページのようなサイトに飛ばされました。
私の場合は幸いにもパソコンのセキュリティソフトが“不審なサイト”だと警告してくれたことで、東京ドーム公演での生配信がないことを確認できた。そこで調べてみると似たような偽サイトが山のようにあって……。よく見れば一発でインチキと分かるレイアウトですが、“早く生配信を見たい!”と焦っているとそこまで気が回らないですよね。騙される人が多いのも無理はありません」
『WE ARE!』の公式Xは4月9日に、
《なりすましの偽アカウントにご注意ください 。本公演のXアカウントはこちらのみです。今後も同様に偽アカウントが発生する可能性がございますので、必ずユーザーネームなどをご確認いただきますようお願い申し上げます》
とポスト。
STARTO社の公式サイトも《ライブ配信サイトを装った悪質な偽サイトや偽SNSアカウントにご注意ください》と注意喚起を行なっている。
Xには、
《おすすめに出てきて危うくアカウント作成するとこでした「生配信ライブ」とか…ファンクラブでのお知らせもなかったのにおかしいと気づきましたが、詐欺集団も見逃さないなあ。怖いです》
《このタグで現地のポスト見たいのに、生配信詐欺アカウントが占領してて何も出てこん》
といった偽サイトに関する声が多く寄せられている。
「そして、これも以前からXやインスタグラムなどのSNSでたびたび問題になっている件ですが、“なりきりアカウント”でも、騒動が起きてしましました」(前同)
■スポーツ紙が勘違いをして……
東京ドームライブ『WE ARE!』と同日の4月10日朝、活動休止中の嵐の相葉雅紀(41)、松本潤(40)、二宮和也(40)、大野智(43)、櫻井翔(42)の5人が会社を設立したことを発表した。
これを受けてXではSUPER EIGHTの横山裕(42)を名乗る、フォロワー数1.5万人のアカウントが、
《5人で新会社設立おめでと! 新たな会社 大野くん 翔くん 相葉ちゃん ニノ 松潤 嵐早く帰ってきて》
と投稿。このアカウントはbio(自己紹介)欄に“なりきり”だと明記されているが、スポーツ紙が本物の横山の投稿と間違えてネットニュースにしてしまう――という出来事があった(現在は削除済み)。
嵐にも全員分のなりきりアカウントが存在する。12日16時現在、本人と無関係のなりきりアカウントのXフォロワー数は相葉が3.6万、松本が8.2万、櫻井が2.9万、大野が2.4万、二宮が2.3万。同一のタレントを複数人が“なりきっている”パターンもあり、“二宮和也”を名乗るアカウントが最低3人は確認できた。
旧ジャニーズ、男女限らずSNSの芸能人なりきりアカウントは非常に多いことから芸能プロダクションも気にしている。女優の佐々木希(36)は偽アカウントの多さから、事務所がなりすまし防止のためだけに、Xに“つぶやきゼロアカウント”を2012年に開設。2020年12月1日に1度花火の写真を投稿した以外、全く使用していない。
「推しへの“なりきり”は、以前からSNSを利用した“ファンのお遊び”として認識されているところがありました。
しかし、多数のフォロワーを抱えるアカウントもあり、わざわざbio欄まで確認する人は少ないから本物と勘違いする人もいます。タチが悪いアカウントはそもそも“なりきり”と書いてない場合もありますね。そのせいで、スポーツ紙が記事にしてしまったように混乱が生じていると。
加えて、旧ジャニーズ事務所はSNSに消極的でしたが、2020年代から個人アカウントを持つタレントが激増。STARTO社になれば、個人の発信はさらに増えると思われます。今後、“なりきりアカウント”の問題も、さまざま生じてきそうですね」(前出のWEBライター)
STARTO社の船出に大注目が集まったからこそ顕在化したネット、SNSの悪辣な問題だが、今後はより、ユーザーと発信側を苦しめるものになっていくのだろう。