元F1ドライバーの49歳、ノルベルト・フォンタナが『トヨタ・カローラGRS TCR』で参戦へ/TCR南米

 元F1ドライバーであり、日本ではフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)や全日本GT選手権(現スーパーGT)でも活躍を演じたノルベルト・フォンタナが、今週末に開催されるTCRサウスアメリカ・シリーズ開幕戦への出場を表明。自身初のTCR規定ツーリングカーとしてTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)製の『トヨタ・カローラGRS TCR』のステアリングを握ることとなった。

「私のレースキャリアに新たなカテゴリーが加わることをとてもうれしく思っている」と、ブラジル・インテルラゴスでの開幕戦を前にコブラ・レーシング・チームとの契約を結んだアルゼンチン出身のフォンタナ。

 F1キャリアとしては1997年にザウバーから計4戦に出場し、ミナルディのテストも経験したファンタナは、その時期を前後して日本にも活動の場を求めると、当時のノバ・エンジニアリングやチーム・ルマンからフォーミュラ・ニッポンに参戦。1998年には関谷正徳とタッグを組み、スーパーGTの前身である全日本GT選手権でトムスのカストロール・スープラをドライブした。

 その後、北米でCARTにもチャレンジしたのち、母国アルゼンチンでは旧TC2000とツーリスモ・カレテッラでタイトルを獲得するなど、ツーリングカーでも活躍を演じている。そんな49歳のフォンタナは、昨季からチームに在籍するシングルシーターとGTの経歴を持つ28歳、チアゴ・ヴィヴァクアとともにトヨタ製TCRモデルをドライブする。

「私自身、TCRサウスアメリカが設立されて以来ずっと注目しており、それがいかに成長し続けるかを目の当たりにしてきた」と続けたフォンタナ。

「デビューに際しては大きな期待を持ってはいるが、このクルマのことを良く知っているとは言えないし、ある程度の見習い期間が必要であることは分かっている。しかし、これは私にとって素晴らしいチャンスになるはずだ」

 そんなフォンタナを起用したチームマネージャーであり、自身もドライバーとしてSCBストックカー・ブラジルで活躍を演じたフラビオ“ノノ”フィゲイレドも「フォンタナは南米のモータースポーツ界にとって重要な名前だ」と期待を寄せる。「これまでのキャリアを考えても、彼がTCRサウスアメリカでも主役になれると我々は確信している」

自身初のTCR規定ツーリングカーとしてTOYOTA GAZOO Racing Argentina(TGRA)製の『トヨタ・カローラGRS TCR』のステアリングを握る
ファン-アンヘル・ロッソとファビアン・シャナントゥオーニの2台体制を継続するPaladini Racingも2024年仕様を披露

■初年度2位のバプティスタがホンダ系チームに復帰

 そのシリーズにて、昨季2023年は新鋭のイグナシオ・モンテネグロをチャンピオンに押し上げたホンダ系トップチームのスクアドラ・マルティーノは、すでに発表されているファン-マヌエル・カゼッラ、エンリケ・マグリオーネの2台に加え、ファビオ・カサグランデの残留とロドリゴ・バプティスタの復帰をアナウンスした。

「TCRサウスアメリカとTCRブラジルの双方で、こうして2024年シーズンへの参加を確認できてとてもうれしい。同カテゴリーの創設初年度から参戦し、今季で3年目を迎える」と、2022年にはエステバン・グエリエリと組んでテルマス・デ・リオ・オンドの耐久イベントで総合優勝も飾っているカサグランデ。

「このシリーズの成長は目覚ましく、エントラントには素晴らしい組織力がある、僕にとって居心地の良いカテゴリーだ。引き続きスクアドラ・マルティーノにおけるドライバーチームの一員になれることを光栄に思っている。このチームは僕のアルゼンチンでの家族なんだ」

 一方、初年度にランキング2位を獲得し、チームに3勝をもたらした27歳のバプティスタも「TCRサウスアメリカに戻れてとてもうれしい」と喜びを語った。

「このチャンピオンシップも大きく成長を遂げたが、まだまだ発展の余地はあり、それが僕のモチベーションにもなっている」

「昨季は新しいチーム(コブラ・レーシング)に所属し、完全に新しいクルマ(トヨタ・カローラGRS TCR)と、これまでレースをしたことのないいくつかのトラックで戦った。2024年にチャンピオンシップを争うという目標を達成するために、僕も懸命に働くつもりだ」

ホンダ系トップチームのSquadra Martinoに残留するファビオ・カサグランデ
ロドリゴ・バプティスタはシリーズ創設初年度以来となるチーム復帰を果たす

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