焦点は“逆シャドー”。横浜FCの伊藤翔は何を要求していた?「2対1の状況を作れる。そこは見てほしかったから」

J1復帰を期す横浜FCで、ここまでチームトップの4ゴール。絶対的な得点源の伊藤翔は、攻撃面でさらなる向上を目ざしている。

開幕当初は3-4-2-1の1トップを担っていたが、ここ最近は右シャドーが定位置に。攻守の両局面で奮闘するなか、目につくのは積極的に味方に声をかける姿だ。プレーが途切れた時や、最終ラインにボールを下げて作り直すタイミングなどで、何かを伝えている。

たとえば、どんなことを要求しているのか。35歳の熟練アタッカーがその1つを教えてくれた。直近のいわて戦(2-2)を振り返る。

「前から来る相手に対して、逆サイドにボールがある時、右シャドーの俺のところって、けっこう空いていたんですよ。だから、こっちに蹴ってくれれば(右ウイングバックの山根)永遠もいるから、2対1の状況を作れる。そこは見てほしかったから、前半の途中ぐらいには左サイドの選手に言いましたね」

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ダイアゴナルにパスを通す。そこから一気にアタックを仕掛ける。

「そういうふうに展開して、ボールを運んでいけば、もっと攻撃もスムーズになって、どんどん攻めて得点数とかチャンスも増えると思う。そこはチームとして高めていきたいし、なんなら生命線になるんじゃないか、と。とにかく逆シャドーを見る、ですね」

トレーニングでも良い感触を得ている。

「今日の練習でも、ガブリエウがヨシ(中野嘉大)に出した1本があった。右のセンターバックから左のシャドーに。それでだいたい(相手の守備が)剥がれる。だから、センターバックのサイドの選手からの配球はめちゃくちゃ大事だし、もちろん自分たちも準備しておかなければいけない」

横浜FCは次節、4月14日に藤枝をホームで迎え撃つ。ピッチを広く使った攻撃でも、得点のチャンスを創出できるか。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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