中国人と健康食品

中国では最近、富裕層の間で西洋人参ブームが起こっている。西洋人参はカナダが原産国で、清朝の半ばごろ中国に伝わった。

中国では最近、富裕層の間で西洋人参ブームが起こっている。西洋人参はカナダが原産国で、清朝の半ばごろ中国に伝わった。

西洋人参はサポニンやアミノ酸などが豊富で、抗酸化効果があり、人間の免疫力を高める効果が期待される。その利用価値の高さから、中国では40年ほど前に大規模栽培が始まった。生育環境に対する条件が厳しい西洋人参の栽培に最も適しているのが山東省の文登エリアで、文登産の西洋人参は現在、全国の生産量の6割を占め、地元の一大産業となっている。文登産の西洋人参は中国国内のみならず、外国にも輸出されている。

西洋人参の最も気軽な摂取方法は、乾燥した西洋人参をスライスし、お湯を注いでお茶代わりに飲むことだ。より加工して、西洋人参からエキスを取って摂取することもできる。文登産西洋人参をもっとたくさんの人に知ってもらい、また愛してもらうために地元の人たちはいろいろ工夫し、西洋人参をテーマとした料理を考案し世に出した。西洋人参を使った料理は味、栄養ともに優れ、すぐに人気を得られた。

昔の「おなかいっぱいになりさえすれば」から、最近は「ちょっといいものを食べたい」へと変わった。中国人の食生活の変化から、中国の経済発展が垣間見える。

■筆者プロフィール:張燕波

中国山東省威海市出身。1998年に技能実習生として初めて日本へ。2000年から日本留学。06~12年にイオン九州に勤務。13~20年に神戸大学大学院修士課程、博士課程で日本の古典文学を研究。21年に帰国し、現在は山東省青島市の私立高校で日本語教師を務める。

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