【新日本】内藤哲也 モクスリーに敗れIWGP世界王座陥落 他団体所属選手への流出は約15年ぶり

ジョン・モクスリーのクロスフェースロックに捕獲される内藤哲也

新日本プロレス12日(日本時間13日)の米国・シカゴ大会で、IWGP世界ヘビー級王者・内藤哲也(41)がジョン・モクスリー(38=AEW)に敗れ3度目の防衛に失敗した。

内藤は6日の両国国技館大会で「NEW JAPAN CUP」覇者・辻陽太の挑戦を退けてV2に成功。そこから長距離移動に加えて〝中5日〟という超ハードスケジュールでシカゴ決戦に臨んだ。

2019年のG1クライマックス公式戦でモクスリーに敗れている内藤は、雪辱を狙って制御不能な猛攻を仕掛けた。パイプ椅子でトぺ・スイシーダを迎撃し流血に追い込むと、スイングDDTをさく裂させる。

バックエルボーから正調デスティーノを狙った内藤だったが、これを切り返されるとスタナーからデスライダーを浴びてしまう。これをカウント2で返し、コリエンド式デスティーノで反撃に転じたが、正調デスティーノはやはり決めきれない。ローリングエルボーから2発目のデスライダーを決められた。

内藤は驚異の粘りを見せ、これもカウント2で肩を上げる。追撃のラリアートもカウント1で返したものの、最後はこの日3発目のデスライダーでマットに叩きつけられ、ついに力尽きた。

今年の1月4日東京ドーム大会でSANADAを撃破しIWGP世界王座を初戴冠。東京ドームでの「デ・ハ・ポン!」大合唱パフォーマンスをするという悲願を達成した。過去3度のIWGPヘビー級王者時代はいずれも1回の防衛にとどまっていたが、IWGP世界王座は2回の防衛に成功し、これまで成しえなかった最高峰王座の長期政権も視野に入っていた。

しかしシカゴの地で待っていたのは、悪夢の王座陥落。ベルトはAEWに流出し、内藤は丸腰で帰国の途に就くことになった。

なお新日本プロレスの最高峰王座が他団体所属選手に流出するのは、2009年1月までIWGPヘビー級王座を保持していた武藤敬司以来、実に15年3か月ぶり。海外他団体所属選手が保持するのは史上初のこととなった。

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