「喝!あっぱれ!」不発…膳場貴子「サンデーモーニング」の先行きが心配だ

膳場貴子(C)日刊ゲンダイ

上品すぎて物足りないのはなぜ?

関口宏から膳場貴子に司会が交代してリスタートしたTBS系日曜朝の「サンデーモーニング」、いささか退屈な番組になった印象はないか。

膳場の進行はさすがにスムーズだし、1週間のニュースの紹介・解説も要領を得ていて、コメンテーターたちの批評も的を射ている。報道ワイドとしては文句のつけようはないのだが、行儀が良すぎて物足りないのだ。

関口は物議を醸すことも少なくなく、今週は何を言うだろうかとワクワク感があった。

たとえば、自民党のパーティー裏金騒動についても、「ズルズル、ダラダラいつまでやっているんだっていう感じが、私の中ではしちゃうんですが」とバッサリ切り捨てたが、膳場は「自民党内から『真相究明すべきだ』っていう声があがっていますけど、『えっ、今ごろやっと』という感じがどうしてもしてしまうんですよね」とおとなしめだ。

心配なのは、「喝!あっぱれ!」が人気の「週刊ご意見番」が不得手らしいことである。

膳場も「最初に白状させていただきますと、ちょっとスポーツはまだ『あれ』ですので、いろいろと教えてくださいませ」と認めているが、ご意見番の上原浩治との呼吸はいまひとつだった。

膳場が20年連続勝利の中日の涌井秀章投手に「あっぱれ!」を付けたそうにしても、上原は「まだ、まだ」とノッてこない。

結局、初日の7日は「あっぱれ!」が7本だけ。スポーツファンは小気味いい「喝!」を楽しみにしているのに、ひとつもなく不発だった。

視聴者からは「上品な番組になっていくのかなあー」「関口さんの偉大さがわかった」という声が寄せられている。実は視聴率もご意見番コーナー終了後から急落して、裏番組の「シューイチ」(日本テレビ系)に逆転された。

こうなると懐かしい関口宏のボケっぷり

「膳場は安定感抜群で、アドリブもこなしますが、“ボケ”は苦手です。7歳まで西ドイツで過ごし、女子学院、東京大医学部卒業の優等生。NHKに入ってからもバラエティーの経験はほぼゼロで、フリー転身後は『NEWS23』『報道特集』といった“報道のTBS”の看板を背負ってきました。ボケを身に付ける暇も環境もなかったでしょうね。お堅いイメージなので、他の出演者も膳場にはツッコミにくい。でも、日曜朝の司会は、ボケて笑いをとることも求められます。素が出せるかどうか。膳場サンモニのカギになりそうですね」(番組制作会社プロデューサー)

ボケといえば、「私、よくわからないのですが」と自虐ボケでウケていた関口宏は、すでに新しい番組がスタートしている。土曜昼のBS-TBS「一番新しい江戸時代」で、関口の歴史シリーズ第4弾だ。田中優子(法政大名誉教授)と涌井雅之(造園家)のサンモニコメンテーターが解説キャスト。日曜昼はやはりBS-TBSに「関口宏のこの先どうなる!?」(21日~)もある。さまざまな分野の専門家をゲストに、日本と世界の明日を考えるという。まだまだやる気満々で、膳場もウカウカしてると、「お手伝いしましょうか」なんて言われかねないぞ。

(コラムニスト・海原かみな)

© 株式会社日刊現代