悩みがちなタオルの替えどき お手入れのコツや意外な活用術などメーカーに聞いてみた

肌の負担を軽減する機能性の高いタオルも【写真提供:UCHINO】

手や顔を洗ったときや、お風呂上がりに毎日使うタオル。初めはふんわりしていても、使い続けているとゴワゴワしてきたり、匂いが残ったりします。ただ、「これは替えどきでは?」と思いつつ、もったいないと感じてしまうことも。交換の目安や、フワフワした風合いを長持ちさせるお手入れ方法などはあるのでしょうか。タオルやパジャマなどを製造販売するライフスタイルブランドUCHINOの広報・山本美歩さんにお話を伺いました。

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“寿命”はないけれど、半年~1年が交換の目安

――バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルといった、種類や使い方によって違いがあると思いますが、交換時期の目安はあるのでしょうか?

「タオルは長年使っても吸水性がなくなるわけではないため、実は機能面でいうとタオルに明確な“寿命”はありません」

――では、判断基準として「こういう状態になったら取り替える」といった目安は?

「当社では肌触りや使い心地の良さも、タオルの価値のひとつと考えています。そのため、おすすめしている交換時期は、ゴワゴワ感を覚え始めたときです。

また、嫌な臭いがするほか、タオル表面の色が変わってきたら、カビや雑菌などが繁殖している証。衛生上の理由から、取り替えるタイミングです。期限ではありませんが、毎日使うものですから、年末年始や新生活の始まりなど、1年か半年に一度は新しいタオルに変えると、気分が一新されますよ」

――タオルを選ぶとき重視すると良いポイントはありますか?

「肌触りはやはり大事ですね。硬かったりゴワゴワしたりするタオルは肌への負担になるため、気持ちの良い肌触りのものをおすすめします。使いやすさの面では、軽さと乾きやすさも重要かと思います。お洗濯は少しでも楽をしたいもの。軽いタオルは、洗濯機から取り出し、干すときに楽ちんです。また、速乾性があるタオルは、雨天や梅雨時期にも生乾きの心配が軽減されます。

あとは、実際に使わないとわからない面もあると思いますが、タオルの機能としては吸水性が重要。お風呂上がりなどに肌の乾燥を防ぐには、濡れた体をなるべく早く拭く必要があります。バスタオルなどはとくに、吸水性を重視して選んでください」

タオルをフワフワに仕上げるには干す前のひと手間が効果的【写真提供:UCHINO】

フワフワ仕上げのコツは干す前のひと手間 意外なタオルの活用術も

――タオルを長持ちさせるお手入れ方法や、洗い方のコツなどはあるのでしょうか。

「お洗濯をする際は、タオルが水中で上下に動くくらい多めの水で洗うと、汚れが落ちやすくなります。あとは、タオルをフワフワに仕上げるのに柔軟剤が必要と思われがちですが、『肌触りが固くなってきたな』と感じるようになってから、使うようにしてください。

実は、柔軟剤を使いすぎると吸水性が低下してしまったり、毛羽の脱落や黒ずみの原因になったりします。濡れたタオルは放置せず、洗い終わったらすぐ、日陰で風通しの良いところに干してください。その前に10~20回ほどパタパタと振ると、フワフワな触感が長持ちします」

――使い古したタオルは、お掃除などに使うケースが多いと思います。そのほかに、タオルの特徴をいかした再利用法があれば教えてください。

「タオルのリサイクル活動をされている企業・店舗・団体などへ、寄付されてはいかがでしょうか。タオルの多くは綿100%のため、リサイクルが可能です。そのほかリユースという観点から、タオルを必要とする団体や被災地での、お掃除活動などにも使われます。使用済み、またはタンスに眠っているタオルを寄付することは、身近なSDGsアクションとしてもおすすめです」

――意外に知られていない、タオルの活用術はありますか?

「実は、濡れたタオルは臭いを吸着する力が強いので、お部屋の臭いを取るのに使うこともできるんです。どんな臭いでも……というわけではありませんが、たとえば室内で焼き肉や鍋をしたとき、タバコの臭いなどは、濡らして硬く絞ったタオルを振り回すだけで、かなり消すことができますよ」

濡れたタオルが手軽に部屋を消臭するのに使えるのは、試してみたくなる人も多いのでは。日々の暮らしに欠かせないタオル。きちんとお手入れをして、長く気持ち良く使いたいですね。

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