【実録】私立幼稚園の「入園式」でびっくり! レクサス、ベンツ、アウディ…「軽」のわが家はお呼びじゃなかった!? ブランド私立幼稚園の入園式で受けた“衝撃”とは

私立幼稚園の学習費総額は年約31万円

文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、幼稚園に支払う月謝、給食費、幼稚園以外の活動にかかる費用を含めた学習費の総額は、1年間・子ども一人当たり、公立幼稚園で約17万円、私立幼稚園で約31万円という結果になっています。差は年間約14万円で、月にならすと約1万2000円ほどです。

幼稚園以外の活動にかかる費用を除くと、公立幼稚園が約7万円、私立幼稚園が約16万円となっており、いずれにしても私立幼稚園のほうが公立幼稚園の2倍程度のお金が必要になるようです。

幼児教育・保育は無償化されている

ただこの金額を見て、「思ったより私立幼稚園は高くなかった」という感想を持った人も多いのではないでしょうか。参考までに小学校でも比較してみると、公立小学校は約35万円、私立小学校は約167万円となっており、雲泥の差であることがわかります。

幼稚園に関して公立と私立の差が小さい理由は、2019年10月より「幼児教育・保育の無償化」がスタートしたことも大きいでしょう。公立・私立問わず、幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳までのすべての子どもの利用料は無料となっています。

それでも私立のほうが月数万円高い理由としては、給食費や幼稚園内・外で行われる教育費など、幼稚園が設定している利用料以外の部分の金額のベースが全体的に高い、もしくは費目が多いのではないかと考えられます。

【実録】ブランド私立幼稚園の入園式で受けた衝撃

筆者の子どもは、地域では有名な私立幼稚園に入園しました。理由は「近かったから」です。また、幼児教育・保育の無償化も始まっていたので、どこの幼稚園に入れても基本的な費用は変わらないと思い、幼稚園で行われる英語や体操教室など、よりよい教育を受けられるであろう私立幼稚園を選びました。

迎えた入園式の日、わが家自慢のマイカー(軽自動車)で幼稚園に向かいました。そして、到着してビックリ! 駐車場にレクサス、ベンツ、アウディなどの高級車が数台停まっているではありませんか。正直、「入る幼稚園を間違えた」と思いました……。

どこの幼稚園に入れても同じだと思い込んでいた月謝は、近隣の公立幼稚園に入れた友人と比較すると、月7000円ほど高かったです。年間にすると8万4000円なので、前述した公立幼稚園と私立幼稚園の差額に相当するでしょう。

施設管理費、用品代、おやつ代など、都度かかる費用がちょっと高いという印象でした。ただその分、幼稚園教育の中身も高級で、音楽教室、体育教室、英会話教室、大学教授を招いての絵画教室など存分に受けさせてもらいました。

そして3年間過ごして感じたのは、園児の半分程度の家庭はわが家と同じ一般的な年収だと推測されるサラリーマン家庭だったということです。入園式ではついつい高級車に目がいきましたが、軽自動車で送迎している家庭もたくさんありました。

幼児教育・保育の無償化が行われる前であれば、きっと限られた家庭しか通えなかったでしょう。富裕層の人たちと同じ幼児教育が受けられたのは、幼児教育・保育の無償化のおかげであり、とても感謝しています。

まとめ

幼児教育・保育の無償化が行われた現在は、公立幼稚園と私立幼稚園の費用差は数万円程度のようです。小学校のように何十万円も差があるわけではありません。入園式で高級車が並んでいても、たじろぐ必要はないのです。筆者は私立幼稚園に入れることで公立幼稚園より少し高い費用を支払いましたが、費用対効果は高かったのではないかと思っています。

出典

文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果について
こども家庭庁 幼児教育・保育の無償化

執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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