全盛期のトラウトが戻ってきた 米公式サイトが5つの要因を分析

大谷翔平(ドジャース)が投打にわたる二刀流の活躍で「球界最高の選手」に上り詰める前、その座に君臨していたのはマイク・トラウト(エンゼルス)だった。2012年から2019年までの8年間で新人王と3度のMVPに輝き、打率.308、280本塁打、196盗塁、出塁率.422、OPS1.009を記録。ところが、近年は故障によって稼働率が低下し、年齢による衰えも指摘されるようになってきた。しかし、今季はここまで13試合に出場して打率.306、6本塁打、OPS1.117の活躍。米公式サイト「MLB.com」のブレント・マグワイア記者は5つの要因を挙げている。

1つ目は「コンタクト率の上昇」だ。今季はまだ13試合分のデータしかないものの、2021~23年と今季を比較すると、空振り率は29.2%から14.4%まで低下。三振率も24.9%から16.7%と大きく改善されている。ストライクゾーン内のコンタクト率は76.3%から87.2%に上昇し、ゾーン外のコンタクト率も52.7%から78.9%へ大幅アップ。とにかく空振りが減り、ボールをバットで捉えることができるようになっているのだ。

2つ目は「速球を再び打てるようになったこと」だ。トラウトはキャリア通算で速球系のボールに対してOPS1.017をマークしているが、この数字が昨季は.862まで落ち込んでいた。しかし、今季はここまで1.126と再び速球を攻略している。変化球にも上手く対応しており、今のところ、今季のトラウトの打撃に大きな穴は見当たらない。

3つ目は「ストライクゾーン内もしくはゾーン近辺のボールをしっかり打っていること」だ。昨季はゾーンの中心付近や端っこにきたボールに対する成績が悪化していたが、今季はその数字が回復している。日本時間4月13日のレッドソックス戦で今季初めてゾーン外のボールをヒットにしたが、それまでの14安打はすべて「打つべきボールを打ったヒット」だった。

4つ目は「高いコンタクト率を残しながら打球の質を維持していること」だ。平均打球速度とハードヒット率はやや低下しているものの、平均打球角度が上昇し、フライ率が上がっていることで、全盛期と同等のバレル率を維持している。コンタクトを重視するあまりに打球の強さを犠牲にしているわけではなく、フィールド内に飛ぶ打球の質と量を両立することができているのだ。

5つ目は「守備走塁面でも一定の水準を維持していること」だ。今季のトラウトはシーズン20個以上の盗塁を目指しており、すでに2盗塁を決めている。2020年以降の4年間は最多でも年間2盗塁にとどまっており、盗塁が増加するのは間違いないだろう。また、センターの守備も平均レベルを維持しており、走攻守のトータルで非常に高い貢献度を発揮している。総合指標WARでもリーグ上位に名を連ねており、2019年以来5年ぶりのMVPも狙えるかもしれない。

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