息子が勝手に使った50万円分の返金は可能?
京都府「消費者教育教材 中学生に多い消費生活相談事例」によると、未成年者が保護者の同意なく行った契約は、「未成年者取消権」により取り消せる可能性があるようです。
ただし、次のような場合には取り消すことはできません。
__・小遣いの範囲内での契約 (法定代理人が認めた範囲内での契約)
・18 歳以上であると年齢を偽った場合
・契約書の法定代理人の承認欄に無断で記入するなど偽って契約した場合
・結婚している場合 __
しかし、実際には保護者のクレジットカードを子どもが使ったことを立証することは難しく、事業者から「保護者(名義人)の監督責任」と言われ、取り消しが難しい場合があります。
今回の50万円の場合、小遣いの範囲を超えた金額と考えられます。
しかし、子どもが親名義の端末を使用していた場合は保護者が課金に同意したと見なされたり、年齢確認画面において成人であると虚偽の申告をしたうえで課金していた場合は詐欺による申し込みとされてしまったりといった理由で、取り消しが認められないケースもあるようです。
もし、このような子どもの高額課金によるトラブルに遭ってしまった場合は、早急にお住まいの地域の消費者生活センターや弁護士などに相談しましょう。
トラブルを防ぐためにできること
このようなトラブルを未然に防ぐために、おさえておくべきポイントがありますので確認していきましょう。
保護者のアカウントを子どもに利用させない
トラブルに遭った多くの方が、両親や祖父母など家族のアカウントが登録された端末を子どもに利用させていたようです。
保護者のアカウントでログインしたスマートフォンや家庭用ゲーム機で子どもが課金した場合は、保護者が課金に同意したと見なされるケースもあるため、保護者名義のアカウントを子どもに利用させるのはやめましょう。
子どもの課金を制限するのに有効な手段として「ペアレンタルコントロール」があります。
ペアレンタルコントロールを利用すると、課金の制限のほかに、子どもにとって不適切なサイトや動画の閲覧制限、スマートフォンの利用時間の制限、アプリのダウンロード制限などができます。
保護者のアカウントを子どもに利用させる場合は、決済時にパスワードが必要になっているか、課金時に決済完了メールが届く設定になっているか、メールアドレスは普段使っているものが登録されているかなどを確認しておくと安心です。
オンラインゲームで課金する場合のルールを親子で話し合う
オンラインゲームの中には、手に入れるために課金が必要なアイテムなどがあることをあらかじめ子どもに伝えておきましょう。
子ども自身が意識せずに課金してしまっていたケースや、「友達が言っていた」「みんな持っているから」といった理由で自分も手に入れたいという心理が働くこともあるようです。
ゲームの料金体系や決済方法についても確認して、ゲームの遊び方やルールなどをよく話し合っておきましょう。
保護者のアカウントを使用して課金した場合返金に応じてもらえないケースも……課金のルールを親子でよく話し合おう
未成年が保護者の同意なく課金した場合は契約の取り消しができます。
しかし、状況によっては返金が認められないケースもあるでしょう。
高額課金のトラブルを未然に防ぐために、保護者名義のアカウントやクレジットカード情報が入った端末・家庭用ゲーム機器を子どもに利用させない、ペアレントコントロールを利用する、オンラインゲーム利用時のルールをあらかじめ話し合っておくなどをしておくと安心です。
出典
京都府 京都府消費生活安全センター 高校生に多い消費生活相談例(令和4年度京都府)先生用
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー