ブナ植樹 クマ被害防止 自然保護向け協定 いわて生協、生母生産森組 奥州

協定書を手にする石橋副理事長(左)と岩渕組合長

 いわて生協(本部滝沢市、飯塚明彦理事長)と、奥州市前沢の生母生産森林組合(岩渕修組合長)は12日、「まえさわ生母の森づくり活動」協定を締結した。両団体は2023年3月までの10年間、束稲山山頂に通じる県道沿いの森にイロハモミジの植樹と育林活動を実施。協定ではこの活動を引き継ぐ形で今後10年間、ブナが生い茂る森づくりや自然環境の保護に取り組んでいく。

 両団体は14年に協定を締結し、同市前沢生母の森林で「コープの森づくり」を実施してきた。もともとは生母地区にあった赤生津、母体の2小学校の卒業記念としてイロハモミジを植樹した場所を活用。両校の閉校で活動が終了したため、両団体が19年までの6年間で約2・4ヘクタールにイロハモミジ185本を植樹し、年1回の下草刈りを継続してきた。

 今回締結した協定では、イロハモミジの森の東側にある約1ヘクタールの森林を活用してブナの森づくりに取り組む。34年3月までの10年間、ブナの苗木を年60本ずつ植える計画。ブナを育てることでクマの餌のドングリを確保し、クマの里への出没を食い止める狙いもある。

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