借金の補填のため…89歳女性からカードなど詐取、容疑の18歳大学生を逮捕 闇バイト「入金額の5%が報酬」

埼玉県警察本部=さいたま市浦和区高砂

 埼玉県警組織犯罪対策(組対)3課と浦和署は12日までに、詐欺の疑いで、千葉県船橋市の大学生の男(18)を逮捕した。

 逮捕容疑は氏名不詳者と共謀し、8日正午ごろ、さいたま市浦和区の女性(89)方に銀行職員を名乗り「還付金があります」「金融機関を移すお手伝いをします」「そのためキャッシュカードと通帳を預かります」と電話。同日午後4時ごろ、銀行職員を装い女性方を訪れ、キャッシュカード1枚と通帳1冊を詐取した疑い。容疑を認め動機に関して「借金の補填(ほてん)をするため」と供述しているという。

 組対3課によると、9日に女性から相談を受けた銀行職員からの通報で事件を認知。その後、防犯カメラ映像をリレー式に解析し、男がJR浦和駅周辺のインターネットカフェを利用していることが判明した。11日に男がネットカフェから出てきたところを職務質問し、所持品検査や本人の供述から関与を特定した。

 男は3月下旬に高額報酬をうたう交流サイト(SNS)の掲示板を見て闇バイトに応募。「入金額の5%が報酬」と供述している。だまし取ったカードと通帳からは現金が引き出された形跡があり、男はこの点も認めているという。

 県内の今年の預貯金詐欺の認知件数は11日時点の暫定値で59件。県南西部での被害が約7割を占める計41件と集中している。男は3月ごろから主に県内で数十件の犯行に及んだ旨の供述をしており、県警が関連を調べるとともに、指示役やかけ子など共犯者についても捜査している。

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