町議が板倉町を提訴 議会出席停止処分巡り 群馬

 群馬県板倉町議会の昨年5月の臨時会で青木秀夫議員ら3人が出席停止処分を受けた問題で、青木議員は12日までに、違法な懲罰で議事に参加できず議員としての基本的権利を侵害されたなどとして、同町に慰謝料50万円などを求める国家賠償請求訴訟を前橋地裁太田支部に起こした。提訴は10日付。

 訴状などによると、同議会は昨年5月10日、青木議員が臨時議長を務め、町議5人が欠席した臨時会で、議長選に立候補制を取り入れる動議を可決し、立候補した議員を議長に選出した。これに対し、5人が同22日の臨時会で懲罰動議を発議し、青木議員ら3人に同臨時会閉会までの出席停止処分を出した。青木議員は昨年6月、県に不服を申し立て、県は2月に同議会の懲罰を違法と認めて取り消す審決を出した。

 青木議員は、違法な懲罰によって議長、副議長選挙や委員会構成などの議事に参加できず、地方議会議員としての基本的権利が侵害されたなどと主張。また、懲罰は発議した議員側の不法行為にもかかわらず、一連の議事が町議会会議録などに掲載され、精神的苦痛を受けたとして、町に対して慰謝料50万円と、判決確定後に要旨を町の広報誌に掲載するよう求めている。

 上毛新聞の取材に対し、青木議員は「間違いを認めて不法行為の責任を取ってもらいたい」とし、板倉町は「把握していないのでコメントできない」とした。

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