乳飲子の子犬の親代わり ミルクボランティアがへその緒を大切にする理由 「里親さんが見つかったら渡したい」

福岡県の保護ボランティアチーム、はぴねすの元にまたも乳飲子の保護依頼が来ました

福岡県を拠点に主にワンコの保護活動を行うボランティアチーム、わんにゃんレスキューはぴねす(以下、はぴねす)。チームの代表には本業があり、保護活動は本業以外の時間で行っています。2024年1月、本業の時間帯に代表の携帯電話に福岡県の北九州市動物愛護センターから着信がありました。

代表は「また?」と職員から何を求められるか半ば予測しつつ、電話を折り返しました。

乳飲子の引き出しの相談で、今度は8匹の子犬がいるとのこと。「は、8匹ですか」とため息をもらす代表。というのも、少し前の引き出し依頼では7匹を他団体協力も得てなんとか保護した経緯があったからです。

とはいえ放っておくわけにもいきません。代表は頭を抱えました。

なんとか8匹の乳飲子全ての保護先が決まった

職員に「乳飲み子を頼めるミルクボランティアは他にいますか」と尋ねたところ、「2匹なら頼める」と言います。

ということは6匹。結果的にははぴねすの呼びかけで、他団体が3匹を保護してくれることとなり、すでに定員を超えてはいるものの、はぴねすでなんとか残りの3匹を保護することにしました。

乳飲子の保護犬に欠かせないミルクボランティア

乳飲子のワンコに対するミルクボランティアは特に貴重な存在です。母犬と引き離された子犬は生きていくことができず、生後間もない頃には数時間おきにミルクを与えなければなりません。もちろん、排泄の世話も必要で、昼夜つきっきりが求められます。そのため、乳飲子の保護犬の世話をできる人は限られており、ミルクボランティアが数名参加しているはぴねすは特に動物愛護センターから頼りにされる団体というわけです。

なかなかできるものではない、乳飲子のワンコのお世話

それにしても、やはり保護した乳飲子たちの世話は大変で、1匹は当初、上手にミルクを飲むことができず、直接胃にカテーテルを挿入しミルクを飲ませていました。6日ほど経過した頃にようやく注射ポンプの先から少しずつミルクを飲めるようになりました。

「ずっと繋がったままだったへその緒が取れた」

なかなか大変な乳飲子3匹の世話でしたが、はぴねすのメンバーの間でうれしいニュースが共有されました。

乳飲子の世話を始めて一週間が経過した後、「ずっと繋がったままだったへその緒が取れた」というもの。ミルクを与え続けたメンバーにとっては、ここまでの苦労が報われるような、喜ばしいできごとでした。「いつかこの子たちに里親さんが見つかったら、一緒にこのへその緒を渡してあげたい」と大事に袋に入れて保管しました。

乳飲子のへその緒は大事に保管することにしました

当の乳飲子たちはさらにすくすく成長。当初はカテーテルからミルクを与えていましたが、今では哺乳瓶からミルクを飲んでくれるように。日ごとに成長する子犬たち。大変な世話ではありますが、「この成長ぶりがかわいくてたまらない」ともメンバーは熱く語ってくれました。

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(まいどなニュース特約・松田 義人)

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