【東京女子】長野じゅりあが引退試合でリングに別れ「こんな素敵なところに来られて幸せでした」

宮本もか(右)との引退試合を終えた長野じゅりあは号泣

東京女子プロレスに参戦していたアクション女優の長野じゅりあ(28)が、13日の東京・北沢タウンホール大会で引退試合に出場し、リングに別れを告げた。

現役看護師で糸東流空手二段の実績を持ち、2022年3月の両国大会でプロレスデビュー。2年余りのプロレスラーとしてのキャリアは「芸能の仕事に一層、力を入れていきたい」と、アクション女優に専念するため幕を引く。

ラストファイトのこの日は2試合を戦い、第1試合では宮本もか、鳥喰かやと組み、愛野ユキ、原宿ぽむ、鈴木志乃組と対戦した。6人タッグ戦では、鈴木にブラジリアンキックからの旋風脚をズバリと決めてフォール勝ち。まずは有終の勝利を飾ると、メインではタッグパートナーの宮本と一騎打ちした。

互いのバックボーンでもある空手を武器に、ケサ斬りチョップの打ち合い。激闘になって長野は旋風脚で勝負に出たが、宮本にブロックされて不発。最後はゼロ戦キックから変型ネックブリーカーで3カウントを奪われた。

試合後、選手から記念品を贈られた長野は、マイクを握ってあいさつした。「フル参戦できなくて、自分の中では引っ掛かりはあったけれど、みなさんが最初から温かく迎えてくださって、素敵な団体に来られてかけがいのない2年ちょっとになりました。東京女子が大好きになりました。これからはファンとして応援していきます。こんな素敵なところに来られて、私は幸せでした! 短い間でしたが、ありがとうございました!」

最後は涙ながらに「押忍」のポーズを決めてリングを下りた。バックステージでは後悔はないか聞かれ、「やり残したことはあるし、もっともっと勝ちたかったし、悔しい思いもいっぱいしたし、まだやりたい気持ちはあるけれど」と、リングへの未練を口にした。それでも「自分の決めた道だし、ここまで全力で突っ走ってきたので、『ないです!』と言っておきます」ときっぱり。女優とプロレスラー、異色の二刀流の最後を笑顔で締めくくった。

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