「トイレに入るのに暗証番号!?」 驚きと焦り…なんでやねん!? 理由を聞いてみた

「ああ〜、トイレがしたい〜」と探し回ったある日、ようやく見つけたのはとある雑居ビル。いざ入ろうと思ったら扉にボタンが並んでいるんです。レバーハンドルを回そうとしても、ロックがかかってて開かへん……。そう、暗証番号(パスワード)を入力しないと開けられへんトイレやったんです。

【写真】入るときも出るときも!? 暗証番号つきトイレ

「なんでやあ〜」と焦りつつも諦めて、別の場所に探しに行きました。

なんとか別のトイレを見つけて間に合ったんですけど、先ほどのトイレがどうにも気になる……。初めて遭遇した焦りと驚きが忘れられず、ビルの管理会社の担当者に話を聞いてみたところ、「慌てさせてごめんなさい。いまはビルの関係者のみの使用とさせていただいているんです」と、申し訳なさそうに答えてくれました。

聞いたところによると、以前は誰でも普通に入れたのだそう。ただ、繁華街に位置するビルなため、いろいろな人が使いにくるんですって。普通に使ってもらうんだったらいいんですが、なかにはマナーの悪い人もいて、便器や周りを汚すわ、器具をこわしたりトイレットペーパーを盗んだり。タバコを吸って長居する人なんかもいて、ビルに入っている会社の人がいざ使おうと思っても使えないこともあって苦情が入ったのだそう。

さらに、担当者さんは「あっ、そうそう!」と思い出したように話してくれました。繁華街には飲み屋さんも結構あって、そこで飲んではった人がビルのトイレで眠りこんでしまいずっと居座ってたなんてこともあったそう。

それから、「利用者の皆さんから『なぜ?』と言われていることなんですけど……」と飛び出したこぼれ話が……。

実は、とにかく1日も早く関係者だけが使える状態にしたくてあわてていたために、入るときも出るときも暗証番号を入れなければならない“両面ボタン式”の鍵を取り付けてしまったのだとか。

両面ボタン式の鍵は病院や介護施設などで使われていて、内側からも簡単には出られないようにするために設置するもの。ただ、トイレに関しては、一度セキュリティチェックをクリアして入っているわけですから、出るときには必要ないんですよね(笑)。

両面ボタン式ですと、入るときと出るときでそれぞれに暗証番号が異なるため、「入ったはいいが出られない!」という混乱を防ぐためにドアの内側には暗証番号が明記されているのだそう。そんな設置秘話まで話してくださいました。

いろいろな話を伺いましたが、つまり、トイレを利用する際のモラルの問題で暗証番号式が導入されたわけです。

最近は、海外のトイレや日本のカフェの一部などでも導入されていることが多い暗証番号つきのトイレ。今後は日本でも、誰もが使えるトイレは少なくなっていってしまうんでしょうか。

いやあ、ただでさえ暗証番号がなかなか覚えられない私は不安やわあ。そんなん考えてたら、またトイレに行きたくなってきました。

※ラジオ関西『バズろぅ!』2024年4月13日放送回より

(『バズろぅ!』ラジオパーソライター・わきたかし)

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