J1アビスパ福岡、開幕8戦で半分は引き分け 難敵・広島とのドローにチームの受け止めは…

試合後、タッチを交わすウェリントン(左端)と井上(撮影・穴井友梨)

◆明治安田J1第8節 福岡1―1広島(13日、ベスト電器スタジアム)

勝機はあった。昨季からリーグ戦13戦無敗で乗り込んできた広島に追い付かれてのドロー。「負けてばかりいた相手に勝てそうな引き分けだった。成長しているが、望んだのは勝ち点3だった」。福岡の長谷部監督は複雑な胸中を言葉にした。

過去2年の公式戦0勝5敗1分けの天敵に、ボランチの重見を前線に起用。「自分たちが一番いい守備ができる。並びや選手をスタートで使いました」。長谷部監督の狙いは的中し、激しいセカンドボールの奪い合いで序盤は主導権を握った、

前半22分に右サイドで湯沢が1対1に競り勝ってクロスを上げ、ザヘディが頭で決めて先制。ところが、3分後に球際で強度を高めてきた広島にCKから同点とされた。「小さなミスから糸口をつかまれた感覚です。そこから傷口が大きくなってしまった」。指揮官はCKを与える前のプレーの対処を悔やんだ。

後半も湯沢のクロスからザヘディが合わせたが、ゴールネットは揺らせなかった。最後は相手の猛攻をしのいでタイムアップ。前節の名古屋戦も攻め込みながらもドロー。第8節を終えて、引き分けは4試合目だ。

勝ち点1を積み上げたとみるか、勝ち点3をつかめなかったとみるのか。守備で奮闘した田代は「今季の引き分けは全て勝ち点を二つ落としたと思っている」と悔しがる。さらにチームが躍進するための課題だ。(向吉三郎)

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