前日にハグを交わした山川に満塁弾 失意の元新人王「完全にゲームを壊した」

西武戦で満塁本塁打を放ったソフトバンク・山川穂高【写真:小池義弘】

8回に失投を痛打された豆田「凄いというか…凄いっすね」

■ソフトバンク 11ー2 西武(13日・ベルーナドーム)

西武の水上由伸投手が13日、本拠地・ソフトバンク戦で5回途中から登板。6回に1死満塁とすると、昨季までの同僚だった山川穂高内野手に痛恨の満塁弾を浴び、「完全にゲームを壊しました」と悔やんだ。

0-3の5回2死満塁から登板した水上は、甲斐拓也捕手を三ゴロで切り抜けた。回またぎとなった6回は内野安打と2四球などで1死満塁のピンチを招き、山川と対戦。2ストライクと追い込みながらも、3球目のスライダーが甘く入り左中間スタンドへ運ばれた。

打球が上がった瞬間に思わずマウンドでしゃがみこんだ2022年の新人王右腕は「ボール球の要求だった。浮いた分打たれた」と振り返った。前日12日の試合前には談笑してハグもかわした元同僚との対戦については「それは特にないですね。元チームメートだからと言って。同じ野球人なので」。プロ4年目で初めて浴びた満塁弾だった。

さらに0-7となった8回から登板した豆田泰志投手は2安打1四球で無死満塁で山川を迎えた。カウント0-1から2球目の146キロ直球が甘く入り、豪快に左翼スタンドへ運ばれた。こちらはプロ初被弾となった。

この場面、豆田は変化球を投げたかったが、サインは直球だったという。「スライダーを投げたかったけど、真っすぐでいってしまった。首を振れなかったことより、(直球に)うなずいて決めきれなかったことに悔いが残る」と悔しさをにじませた。「甘く入ったら打たれる。ホームランバッターは特に警戒しないといけない中、打たれたので、凄いというか……凄いっすね」。

昨季16試合に登板し、防御率0.59をマーク。オフには抑え候補に名乗りをあげた21歳は、この日の被弾で3試合連続失点。自身の思い描く球の強さを取り戻せてはおらず、豊田投手コーチから「配球や球の力以外も工夫はできる。リズムとか。ファームでしっかりやってこい」と言われたことを明かした。

「あとは『ファーム(の空気)に染まらないように』とも言われました。1軍でやるには自分も絶対にそうしないといけないと思うので一番気をつけたい」。高い意識で再調整し、1軍に戻ってくる決意を語った。(湯浅大 / Dai Yuasa)

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