少子化の苦境にAIで対応―中国メディア

中国メディアの第一財経に10日、「少子化の苦境に人工知能(AI)で対応」とする、中国の専門家による記事が掲載された。

中国メディアの第一財経に10日、「少子化の苦境に人工知能(AI)で対応」とする、中国の専門家による記事が掲載された。

記事はまず、中国の2023年の出生数は902万人、人口1000人当たりの出生数を示す出生率は6.39で、ともに1949年の中華人民共和国成立後最少を更新したこと、出生数は17年から7年連続の減少で、直近のピークだった16年に比べほぼ半減したことを取り上げ、「高齢化と少子化は、わが国の人口の新たな特徴となっている」とした。

他方、「AI技術の出現、発展、普及は、わが国が直面するもう一つの新たな状況だ」とし、AI中核産業規模は、22年が前年比18%増の5080億元(当時のレートで約9兆6520億円)で、23年には5784億元に拡大し、自動運転、顔認識、知能ロボット、機械翻訳などが徐々に人々の日常生活に入りつつあるとした。

その上で、「AI技術を幅広く活用することで、少子化の苦境を打破できるのか」とし、AI技術を活用することによる「少子化による労働力不足の補充」「柔軟な雇用機会の提供と作業効率の向上」「インテリジェントな子育て支援システムの開発」「出産心理活動への科学的介入と心の不安定の予防」「データ分析、予測モデル、意思決定支援システムを通じた政府や関連部門による人口動向のより良い理解・対応とより科学的・効果的な政策・措置の制定」などについて詳しく解説した。

記事は「少子化の課題に対応するためのAIの発展」については、まず「少子化社会においては、人材不足が将来的に深刻な問題となる可能性がある。政府は、税制優遇措置の提供、奨学金や補助金プログラムの確立、学生や専門家によるAI分野での学習や研究への従事の奨励など、人材の育成を奨励および支援するための関連戦略を策定すべき」とした。

また「少子化の苦境を打破し出生率を高めるためには、現状の停滞した出産に対する考え方を逆転させる必要がある」とも指摘した。

他方、「AIが人間の繁殖と再生産のプロセスに全面的に関与する上で、プライバシーの保護に特別な注意を払う必要がある」とも指摘した。(翻訳・編集/柳川)

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