キャッチボールはもうできないけれど、空からニコニコ見ているよ…元プロ野球広島投手・北別府学さんの遺族から母校に届いた野球道具一式 「闘病を応援してくれてありがとう」 曽於市檍小

贈られたグラブやバットを手にする児童ら=10日、曽於市末吉の檍小学校

 元プロ野球広島の投手で昨年6月、闘病の末に65歳で亡くなった北別府学さんの母校、鹿児島県曽於市末吉町南之郷の檍(あおき)小学校に、家族から感謝の気持ちを込めてグラブなど野球道具が届いた。全児童33人は、米大リーグの大谷翔平選手から贈られたグラブと合わせて二重の喜びに沸き、早速キャッチボールなどを楽しんでいる。

 贈り主は広島市在住の妻広美さん。北別府さんは2020年に成人T細胞白血病(ATL)を公表。児童らは、偉大な先輩の回復を祈ってメッセージアルバムや手紙を送って故郷から励まし続けた。

 この間、北別府さんは21年12月の創立150周年記念式典に「元気になったらまたキャッチボールをしましょう」とビデオメッセージを寄せた。

 4月初めに広美さんからグラブ7個と、金属バット2本、軟式ボール1ダースが贈られてきた。手紙によると、北別府さんは児童からのメッセージを病院でも自宅でも見えるところに置いて回復を目指していたという。

 広美さんは、大谷さんのグラブと合わせて野球の試合を楽しんでほしいと記し、その様子を北別府さんも「ニコニコしながらお空から見ていることでしょう」とつづっている。

 野球が好きという5年の脇迫莉仔(りこ)さんは「北別府さんとキャッチボールをしたかったが、これからはみんなと試合をして楽しみたい」と話した。

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