ソフトバンク、キューバ出身の育成18歳左腕に〝モイネロ2世〟の期待 斉藤和巳4軍監督「体全体にしなりがある」

6回、力投する2番手のサルディ(撮影・西田忠信)

◆交流戦・ソフトバンク4軍5―2北九州下関フェニックス(13日、タマスタ筑後)

ソフトバンクの育成外国人、ダリオ・サルディ投手(18)が来日初の実戦登板を果たした。6回に2番手で登板し、1回を無失点。「自分としてもよかった。もう1イニング投げたかった」。キューバ出身の身長186センチ左腕は手応えを示した。

先頭打者をこの日最速の143キロの真っすぐで三ゴロで抑えた。続く打者は二ゴロに打ち取ると、グラブをたたいて喜びを表現した。「試合を楽しんでいた。ベンチからも、守っているみんなも応援してくれたので」。2死から四球を許したが、最後は真っすぐで見逃し三振に仕留めた。投球は真っすぐ中心で、変化球はチェンジアップとカーブをそれぞれ1球ずつ投げた。

実戦に登板するのは1月以来だという。「先発で投げる場合はもっと緊張するけど、今日は(中継ぎなので)そこまでしていなかった。マウンドに上がってからは平常心だった」と語った。

斉藤和巳4軍監督は「キャンプからずっとブルペンで見ているので、3、4軍の試合ぐらいなら、普通に抑えるやろうなと見ていた。上々すぎるくらい」と評価。その上で「真っすぐがいいので。今日はあんまり変化球を投げていないけど、独特なフォームというか、体全体にしなりがある投手なので、球速以上に打者も速く感じると思う。これで球速が上がっていったらというところもあるので、いろいろ楽しみ」と目を細めた。

1月下旬に入団し、トレーニングと食事などで体重は10キロ増の91キロになった。日本語も少しずつ覚え、好きな言葉を尋ねると「あー分からないね」と日本語で答えておどけて見せた。

同じ左腕のモイネロのような投手になりたいと日本に来た。「モイネロさんのように、技術も日本語もレベルアップしていきたい」。カーブが勝負球という点は〝モイネロ2世〟としての期待もかかる。豚骨ラーメンが大好きな18歳がさらなる成長を遂げる。(浜口妙華)

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