【読書感想文で金賞を取った小学生】「僕は嘘つきでした」 → 喜ぶと思いきや、謝罪し始めて──!?

我が子を思うがゆえに、必要以上に手を出してしまう過保護ママ。それは本当に子供のためになっているのでしょうか? 今回は筆者が実際に目撃した、とある親子の話をお届けします。

誰もが認める優等生

私の息子と同じクラスのAくん(小3)は、とても優秀な子で有名でした。

テストの点数が良いのはもちろん、特に自由研究や工作などの長期休暇の宿題は、誰から見ても素晴らしいものばかり。

息子も「Aくんはとても手先が器用で、何を作ってきても上手なんだよ」とAくんのことを尊敬していました。

読書感想文で表彰され、ママは鼻高々

先日、そんなAくんが読書感想文コンクールで金賞を受賞したので、参観日で表彰されることになりました。

金賞を獲ったのは、学校内で1人だけだったこともあり、保護者たちから「さすがAくんだわ。どうやって育てたら、あんなに賢い子になるのかしら」と称賛の嵐。

その場にいたAくんママは、周りから褒められると「実は、私は難関大卒なんです。息子は私に似たのかもしれませんね」と嬉しそうに話していました。

突然の告白

しかし、なぜか浮かない表情でうつむき続けるAくん。そしてAくんは今まで閉ざしていた口を開いて、

「ごめんなさい。僕は嘘つきでした」

と、みんなの前で先生に謝罪をしたのです。子供も保護者も何が起こったのか分からず、クラス内は騒然としました。

「読書感想文を考えたのはお母さんで、僕は清書しただけなんです……」

震えた声で真実を語るAくん。

これにAくんママは「何を言ってるの!?」と慌てましたが、Aくんは「お母さんが『お前の感想文は低レベル過ぎる。私の言う通りに書きなさい』って言ったんじゃないか!」と暴露を続けます。さらに、

「夏休みの工作や自由研究だって、全部お母さんの言う通りにやっただけなんです。僕が考えたわけじゃない。だから表彰される権利なんてないんです」

Aくんはみんなの前でうわんうわんと泣き出しました。この一連の出来事に、子供たちと保護者はシーンと静まり返ったのでした。

まとめ

後から聞いた話だと、Aくんママは自分の学歴に誇りを持っていて、Aくんにも勉強で周囲から認められる子になってほしいと思っていた。だから必要以上に手を出し過ぎてしまったのだといいます。

Aくんママの気持ちは分かりますが、宿題を全てやってしまうのは良くありませんよね。

ただ、みんなの前で本当のことを言えたAくんの勇気には、心を打たれるものがありました。今回の件は、Aくん親子にとって貴重な経験になったことでしょう。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:花澤ひかる

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