不死鳥のごとく蘇る、ゴジラ意地の一撃【松井秀喜 MLBベスト本塁打③】

2012 MLB 松井が2号2ラン 現役最後の本塁打 (メジャー通算175号)写真:ロイター/アフロ

ドジャースの大谷翔平(29)が2024年4月12日(日本時間13日)に本拠地・パドレス戦に2番・DHで先発出場し、松井秀喜氏の持つ日本人最多記録のメジャー通算175本に並ぶ175本目となるホームランを放った。

日本人メジャーリーガー通算最多本塁打175本を記録した大谷翔平と松井秀喜。

稀有なパワーを持つ日本人スラッガー2人がメジャーで放った本塁打の中でも特に印象深いものをセレクト。その偉大な功績とともに振り返ってみたい。

松井秀喜ベスト本塁打③

<2012年6月1日 オリオールズ戦>
※日付は現地時間でのもの

エンゼルスを退団して以降、スランプに見舞われた松井秀喜。2011年オフにアスレチックスをFAになると、なかなか所属先が見つからずに2012年は無所属のままで開幕戦を迎えることになった。

4月終わり、松井はレイズとマイナー契約。

背番号もトレードマークの55番ではなく、35番を背負ってプレーすることになるなどこれまでとは大きく環境が異なったが、5月29日にメジャーへ昇格。そしてその日のホワイトソックス戦でいきなり7番打者としてスタメン出場を果たした。

4回裏のレイズの攻撃、2死一塁という場面で打席が回ってきた松井は初球を叩くと、打球はトロピカーナ・フィールドの右中間スタンド中段へ。

メジャー移籍以来、シーズン開幕戦では功績を収める傾向があった松井だったが、レイズで迎えた自身にとっての"開幕戦"でもその実力を遺憾なく発揮してみせた。

しかし、この年で38歳となる松井は衰えを隠せず、6月1日にシーズン第2号となる本塁打を放ったのが現役最後の一発を放ち、シーズンオフの12月に現役引退を発表。

レイズで見せた復活の本塁打は日本人最強スラッガー、松井秀喜の意地の一打だったのかもしれない。

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