<高校野球>春日部共栄・本多利治監督が退任決意 93年夏に全国準優勝の名将「悔いはない」 後任は未定

退任を決意した春日部共栄高野球部の本多利治監督=13日午前、越谷市増林の越谷市民球場

 春日部共栄高野球部の本多利治監督(66)が13日、来年3月31日をもって監督を退任する意向だと埼玉新聞の取材で分かった。昨年3月と今年1月に心不全で入院するなど体調面を考慮した上で退任を決意した。3月上旬に選手らにも退任することが伝えられていた。後任は未定。

 本多監督は1980年に同校の開校と同時に体育教諭として入り、野球部の監督に就任した。同校を春3度、夏5度の甲子園出場に導き、93年の夏には準優勝に輝くなど全国通算10勝。

 主なOB(教え子)にWBCで日本代表のコーチも務めた城石憲之(元日本ハム、ヤクルト)、土肥義弘(元埼玉西武、横浜など)、中里篤史(元中日、巨人)らがいる。

 高知県中村市(現四万十市)出身。高知中時代に野球を始め、高知高では春に2度、夏に1度、甲子園に出場し75年の春の選抜大会では主将(6番、二塁手)として高知県勢初の春の全国制覇を果たしている。

 埼玉高校野球界をけん引してきた名将は「ここまでやらせてもらって悔いはない。選手らにはとにかく最後まで笑顔で明るく元気に伸び伸びとうちの野球をやってほしい」と、残りの1年も監督就任当初から掲げる「野球を楽しむ」という信念を貫くつもりだ。

© 株式会社埼玉新聞社