水原一平容疑者の保釈にスペイン紙が異例の関心! 元通訳の”裏切り”を受けた大谷翔平に同情も「賭博スキャンダルで嵐の中にいる」

球界スーパースターの元通訳による違法賭博問題が、意外なところで関心が寄せられている。

大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)のメジャー1年目から専属通訳を務め、銀行詐欺容疑で訴追された水原一平容疑者が現地4月12日、米ロサンゼルスの司法当局に出頭。身柄を拘束された。そのあと、米連邦地裁で訴追手続きが行なわれ、同容疑者は保釈金2万5000ドル(約383万円)での保釈が認められた。

球界だけでなく、世界中を騒然とさせた水原容疑者の違法賭博スキャンダル。その渦中の人物が騒動発覚後、初めて公の場に姿を現わした。

複数の米メディアの報道によると、保釈金の支払いに加えて「パスポートの返納」「カリフォルニア州の特定地区から離れないこと」「被害者である大谷との連絡、面会の禁止」「一切の賭博禁止」「ギャンブル依存症の更生プログラム受講」などが、保釈の条件となった。

水原容疑者の担当弁護士であるマイケル・フリードマン氏は「引き続き、法的手続きに協力し、政府との合意でできるだけ早く事件を解決し、責任を取ることを望んでいる」との声明を発表。さらに、「彼はオオタニやドジャース、代理人関係者、家族に謝罪したいと考えている」と同容疑者の胸中を代弁した。
二刀流スターの敏腕通訳として、グラウンド内外でサポートし続けた水原容疑者の世紀の裏切り行為。同容疑者の動向は、野球が決して盛んとはいえない欧州メディアでも興味深く報道されている。

スペインの日刊紙『as』のメキシコ版は「ショウヘイ・オオタニの元通訳、イッペイ・ミズハラが保釈金2万5000ドルで釈放された」と報じ、普段はサッカーが紙面の中心である同メディアが異例のページ数を割いて世間を賑わせた日本人通訳の出廷を伝えた。

記事内では、前日(11日)に水原容疑者を訴追したカリフォルニア州中央地区のマーティン・エストラーダ連邦検事の発表会見を紹介。「ミズハラがオオタニの銀行口座から1600万ドル(約24億5000万円)を盗んだとして、銀行詐欺の罪で起訴された。この罪は最高で懲役30年である」と触れたうえで、「ミズハラは2021年から24年の間に約1万9000件の賭けを敢行し、賭博での損失は4070万ドル(約62億円)にのぼる」と、その金額に驚き呆れるばかりだった。 MLB専門チャンネル『MLB Network』のジャーナリストであるアルデン・ゴンザレス氏の記事を引用しながら、水原容疑者が行なった大谷への信じられない裏切りの一部を紹介。「ミズハラは銀行に対し、オオタニの口座から金を盗むために嘘をつき、電信送金を承認するよう説得するため、自分がオオタニだと偽装したとされている。オオタニは、自身の元通訳であるミズハラの賭博スキャンダルで、いま嵐の中にいる」と、日本人スターに同情を寄せる記述もあった。

日米だけでなく、世界中に波紋を広げた一大スキャンダルの新たな動き。水原容疑者が米連邦地裁に出廷したことについて、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「(事件が)より明確になり、ショウヘイが前に進めることを嬉しく思う」と、試合前にコメントを残した。
指揮官の期待通り、身の潔白が証明された大谷はサンディエゴ・パドレス戦で3試合ぶりとなる4号ソロホームランを含め、3安打1打点の大活躍。チームは7対8で敗れたとはいえ、自らのバットで周囲の雑音を一蹴する千両役者たるパフォーマンスを披露した。

現地13日(日本時間14日)の3連戦2戦目でも、その打棒に大きな期待がかかる。

構成●THE DIGEST編集部

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