馬場川通りデザイン一新 民間の力でめぶく 14日も「まちびらき」イベント 群馬・前橋中心街

装いを新たにした馬場川通り。大勢の市民でにぎわった

 民間の力で群馬県前橋市中心街の市道と遊歩道を再整備する「馬場川通りアーバンデザインプロジェクト」の工事が完了し、生まれ変わった空間を舞台としたイベント「まちびらき」が13日、始まった。ワークショップや飲食販売などが繰り広げられ、来場者でにぎわった。14日まで。

 初日は完成を祝う式典が開かれた。整備を進めた一般社団法人前橋デザインコミッション(MDC)の石川靖代表理事はあいさつで「今後この道からどのようなことが発信され、前橋のまちづくりに影響を及ぼすのかを考えると感慨深い」と述べた。

 14日は飲食販売の他、ボードゲーム体験などのワークショップが開かれる。

心地よい空間

 前橋市中心街を再整備する事業で、生まれ変わった馬場川通りを発信するイベント「まちびらき」が開かれた13日、同通りは新たな公共空間を楽しむ人々でにぎわった。

 整備の完了を祝う式典には小川晶前橋市長や、事業を援助した同市の企業経営者らによるまちづくり支援団体「太陽の会」の田中仁会長らが出席。門出を記念し、小川市長と田中会長、勢多農林高の生徒が花壇に花を植えた。花壇は同校植物デザイン科の生徒が整備に携わり、今後も手入れなどを行う。

 会場では、前橋産のバラや同校の生徒が育てた卵の他、周辺の飲食店がコロッケやコーヒーなどを販売した。家族4人で訪れ、新しいベンチで初めて食事した小野里未来さん(33)=高崎市=は「子どもがベンチに座りたいと言った。天気が良く、外で食事ができるのは気持ちいい」と喜んだ。

この他、新たな馬場川通りの景観デザインなどを手がけたランドスケープ・プラス(東京都)の平賀達也代表など、整備に関わったデザイナーらによる説明や、関係者が同通りを案内するガイドツアーも開かれた。

「紺屋町広場」完成

 前橋市中心街を再整備する「馬場川通りアーバンデザインプロジェクト」の一環で、一般社団法人前橋デザインコミッション(MDC)と市民有志の「馬場川通りを良くする会」が、通り近くに整備を進めてきた「紺屋町広場」が完成し、13日に関係者らがテープカットした。

 広場は、にぎわい創出の拠点にしようと、今年2月からクラウドファンディングサイト「ハレブタイ」で資金を募って整備した。テーブルなどを設置し、イベント開催などに利用できる空間にした。

 デザイナーの手島彰さん(同市)が全体的なデザインを手がけた。地面にはイラストレーターのサイトウアケミさん(同市)が川や電車など街をモチーフにしたイラストを描き、テープカット後に子どもたちがチョークで塗り絵を楽しんだ。

 MDCの日下田伸企画局長(57)は「今後は市民の皆さんが自由に発想し、利用してほしい」と話した。

馬場川通り「まちびらき」の式典で花を植える小川市長(手前左)と田中会長(中)ら
新たに整備された紺屋町広場でテープカットする関係者ら

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