結果発表【80年代アニメソング総選挙】アイドルとアニソンとの密接な関係を徹底検証!  アイドルが歌うアニソンを徹底検証!

結果発表【80年代アニメソング総選挙】リレー総括 vol.3

アニメソングとアイドルとの関係

80年代はアニメが市場を大きく拡大させた時代であったとともに、アイドルというジャンルが巨大化した期間でもある。『80年代アニメソング総選挙!ザ☆ベスト100』にランクインしたアニメソングのなかにも、アイドルが歌った曲が散見される。そこで、ランキングを眺めながら、アニメソングとアイドルとの関係を考察することにしたい。

【視点1】アイドルがアニメソングを歌い始めたのは80年代初期

70年代は男女問わずアイドルがアニメソングを歌うことがほぼなかった。たとえば、山口百恵が大作アニメ映画の主題歌を熱唱した歴史は、あってもよさそうだが……ない。1979年に川崎麻世が「宇宙空母ブルーノア」の主題歌を歌ったぐらいではないだろうか。だが、80年代になると状況が変わっていく。今回の総選挙のノミネート曲で、80年代初期のアイドル関連楽曲は次の3つである。

▶︎ 200位:『ふた子のモンチッチ』(テレビ東京系)いとうのりこ「ふた⼦のモンチッチのうた」(1980年)

▶︎ 129位:『おはよう!スパンク』(テレビ朝日系)井上望「おはよう!スパンク」(1981年)

▶︎ 39位:『さすがの猿飛』(フジテレビ系)伊藤さやか「恋の呪文はスキトキメキトキス」(1982年)

「ふた⼦のモンチッチのうた」は、のちにアイドルとしてデビューする日髙のり子のいわゆる “プレデビュー” シングルである。ただし、番組が低年齢層向けだったこともあり、この曲がアニメファン、アイドルファンに注目されることはほとんどなかった。「おはよう!スパンク」を歌った井上望は『スター誕生!』(日本テレビ系)出身で1979年にデビューしたアイドルだ。デビューから2年目の新境地開拓としてアニメ主題歌に挑んだ。井上望はのちにソングライターとなり、多くのアニメ関連曲を手掛けている。

空前の新人女性アイドル当たり年である1982年にデビューした伊藤さやかは、後に既存のアイドルとの差異化を打ち出し、ロック路線を標榜するが、3枚目のシングルとなる「恋の呪⽂はスキトキメキトキス」は優れたアイドルポップスだった。アニメソング専門の歌手以外が、アニメ主題歌を歌う流れは70年代の終わりから徐々に増え始め、そのなかにアイドル系歌手も含まれるようになっていったのだ。

【視点2】革新的だった「魔法少女アニメシリーズ」

1983年、アニメソングとアイドルが急接近した。アニメ作品が新人アイドルのプロモーションを兼ねた、スタジオぴえろ制作の “魔法少女アニメシリーズ” がスタートしたのである。具体的には下記のラインナップだ。

▶︎ 28位:『魔法の天使クリィミーマミ』(日本テレビ系)太⽥貴⼦「デリケートに好きして」(1983年)

▶︎ 45位:『魔法の天使クリィミーマミ』(日本テレビ系)太⽥貴⼦「LOVEさりげなく」(1983年)

▶︎ 96位:『魔法の妖精ペルシャ』(日本テレビ系)岡本舞子「見知らぬ国のトリッパー」(1984年)

▶︎ 89位:『魔法のスターマジカルエミ』(日本テレビ系)小幡洋子「不思議色ハピネス」(1984年)

▶︎(未ノミネート)『魔法のアイドルパステルユーミ』(日本テレビ系)志賀真理子「金のリボンでRockして」(1986年)

『魔法の天使クリィミーマミ』は新人女性アイドルの太田貴子が主演声優と主題歌を担当。「デリケートに好きして」はデビューシングルであり、本人がクリィミーマミと同一視される効果も生んだ。ここで確認しておくと、オーディション番組『スター誕生!(日本テレビ系)』出身であり、NHKのアイドル番組『レッツゴーヤング』にレギュラー出演する太田貴子に強い声優指向があった訳ではない。アニメと関わることは目的ではなくひとつの手段だった。

『魔法の天使クリィミーマミ』のヒットにより生まれた “魔法少女アニメシリーズ” は、以後もアイドルと蜜月関係を築いていく。『魔法の妖精ペルシャ』の主題歌を歌った岡本舞子にとってこれは日髙のり子と同じように、 “プレデビュー” の扱いである。そして、その後 “正式デビュー曲” でアイドルとして売り出された。小幡洋子は『魔法のスターマジカルエミ』で声優と主題歌を担当。『魔法のアイドルパステルユーミ』の志賀真理子も同様で、エンディングテーマとして流れた「フリージアの少年」がデビューシングルのA面曲となった。

なお、志賀真理子はそれ以前に「魔法少女アニメシリーズ」に強く影響を与えた作品のオリジナルビデオ版『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞』の主題歌「夢の中の輪舞」でプレデビューを果たしていた。

ここまで、“プレデビュー” というワードが数度出てきたが、それが通常のデビューとどう違うのかは、とくに説明されることはなかった。新人アイドルの経験値アップの手段でありつつ、お試しキャンペーンの意味もあったのだろう。「魔法少女アニメシリーズ」ではないが、アニメソングでプレデビューしたアイドルにはもう一例がある。

▶︎ 51位: 『ときめきトゥナイト』(日本テレビ系)加茂晴美「ときめきトゥナイト」(1982年)

加茂晴美も「ときめきトゥナイト」を歌ったあとに、まっさらな新人アイドルとして「青春プレリュード」という曲でデビューしている。ただし、これも『アタッカーYOU!』(テレビ東京系)というアニメの主題歌だった。

話を戻すと “魔法少女アニメシリーズ” は新人女性アイドルのプロモーションにアニメが活用された最初の例だ。しかし、アニメはヒットしても、主題歌を歌ったアイドルは歌手として誰もが知る存在にはならなかった。

【視点3】キャニオンの手当たり次第タイアップ作戦の功罪

80年代にアニメソングとアイドルを強固に結びつけたレコード会社がある。フジサンケイグループに属するキャニオンレコード(現:ポニーキャニオン)は、80年代中頃からフジテレビ系番組と次から次へとタイアップを組んでいった。当然、その中にアニメ&アイドルの組み合わせもあった。今回の総選挙にノミネートされたなかで特筆すべきなのは下記だ。

▶︎ 6位:『タッチ』(フジテレビ系)岩崎良美「タッチ」(1985年)

▶︎ 83位:『タッチ』(フジテレビ系)岩崎良美「愛がひとりぼっち」(1985年)

▶︎ 92位:『タッチ』(フジテレビ系)岩崎良美「青春」(1985年)

▶︎ 12位:『めぞん一刻』(フジテレビ系)⻫藤由貴「悲しみよこんにちは」(1986年)

このタイアップは所属ミュージシャンのセカンドチャンスの役割も果たしていた。たとえば、クリスタルキング、TOM★CATは『北斗の拳』の主題歌を担当することで、再び注目を浴びる機会を得たのだ。

アイドルの系統で、そこに当てはまるのが上記の岩崎良美だ。1980年にデビューし、松田聖子と同格のライバルのような扱いを受けることも多かったが、他の有力新人アイドルが続々デビューしていった背景もあり、デビュー数年でシングルのチャートアクションは鈍いものになっていた。デビュー5年目、そんな岩崎良美にもたらされたビッグチャンスがアニメ『タッチ』の主題歌を歌うことだった。この曲は自身最大のヒットとなり、長く愛される曲となった。また、他にもいくつかの『タッチ』関連曲を歌うことで、作品に不可欠なシンガーとなるのだ。

一方で斉藤由貴の「悲しみよこんにちは」は、『うる星やつら』に続く高橋留美子作品『めぞん一刻』の主題歌であり、資生堂のシャンプー「モーニングフレッシュ」のCM曲だ。強力なダブルタイアップだった。これは、人気絶頂のメジャー女性アイドルが、テレビアニメ主題歌を担当した最初の例だといえる。斉藤由貴は当時、NHK連続テレビ小説「はね駒」に主演しており、その流れで、その年の『NHK紅白歌合戦』の紅組司会者に起用され、歌手としても初出場。「悲しみよこんにちは」を歌った。女性アイドルが『紅白』でアニメ主題歌を歌ったのもこれが初なのである。

斉藤由貴と同時期にキャニオンに所属していたおニャン子クラブの関連のシングルは、フジテレビ系のアニメ主題歌に起用されることが多かった。

▶︎ 37 位:『ハイスクール奇面組』(フジテレビ系)うしろゆびさされ組「うしろゆびさされ組」(1985年)

▶︎ 101 位:『ハイスクール奇面組』(フジテレビ系)うしろゆびさされ組「渚の『・・・・・』」(1986年)

▶︎ 132位: 『あんみつ姫』(フジテレビ系)おニャン⼦クラブ「恋はくえすちょん」(1986年)

▶︎ 154位:『愛の若草物語』(フジテレビ系)「若草の招待状」新⽥恵利(1987年)

▶︎ 161位:『ハイスクール奇面組』(フジテレビ系)うしろゆびさされ組「象さんのすきゃんてぃ」(1986年)

▶︎ 168位:『ついでにとんちんかん』(フジテレビ系)「ほらね、春が来た」うしろ髪ひかれ隊(1988年)

今回ノミネートされたのはこれだけだが、他にもまだまだある。うしろゆびさされ組「バナナの涙」「技ありっ!」「かしこ」、うしろ髪ひかれ隊「時の河を越えて」「あなたを知りたい」「メビウスの恋人」、生稲晃子「麦わらでダンス」などである。

うしろゆびさされ組とうしろ髪ひかれ隊のシングルは、自動的に「ハイスクール奇面組」または「ついでにとんちんかん」の主題歌になっていた。最初の「うしろゆびさされ組」はアニメの内容を意識したような曲だったが、曲が変わるとその要素は薄れていき、主題歌が作品世界と乖離していった。アニメ番組が単にシングルをプロモーションする場となっていたことは否めない。

【視点4】アニメとアイドルの支持層は別だと考えたキングレコード

キャニオンとは異なるスタンスをとっていたのがキングレコードだ。いち早くアニメのマーケットに着目していた同社は1981年より「スターチャイルド」というアニメ専門レーベルを作り、MIO、鮎川麻弥といった自前の女性シンガーを育て、アニメファンにフォーカスしたプロモーションを展開した。おそらくアイドルファン層と、アニメファン層は別物だという考えがあったのではないか。同社の看板アイドルである中山美穂が巨大ロボットアニメの主題歌を担当することはなかったのだ。ただし、スターチャイルドからアイドル路線でデビューした人物もゼロではない。

▶︎ 3位:『機動戦士Ζガンダム』(テレビ朝日系) 森⼝博⼦「⽔の星へ愛をこめて」(1985年)

今回の総選挙で堂々のトップ3入りした森口博子のデビュー曲「⽔の星へ愛をこめて」は1985年の8月リリースである。斉藤由貴、中山美穂、本田美奈子、芳本美代子、南野陽子、浅香唯、おニャン子クラブがデビューしたこの年、8月デビューは明らかに不利だった。だが、オリコン週間チャート16位という大健闘の結果を残している。もっともそれはアニメファン、ガンダムファンの支持だったことは明白で、ガンダムと絡みのない2枚目以降のシングルは残念ながらヒットに至らなかった。森口博子が極めて高い知名度を得るようになるのは “バラドル” として売り出してからである。

【視点5】キティ・レコードと高橋留美子作品の関係

一連の高橋留美子原作アニメはいずれもキティ・フィルムの制作だった。関連ソングはいずれもキティ・レコード、キティ・アーティストの所属者が起用されることが多く、そこにはアイドルも含まれていた。

▶︎ 90位:『らんま1/2』(フジテレビ系)西尾えつ子「じゃじゃ馬にさせないで」(1989年)

▶︎ 109位:『うる星やつら』(フジテレビ系)成清加奈⼦「パジャマ・じゃまだ!」(1984年)

▶︎ 115位:映画『めぞん一刻 完結篇』姫乃樹リカ「硝⼦のキッス」(1988年)

上記はいずれもデビュー曲である。姫乃樹リカはモモコクラブのメンバーであり比較的知名度が高いが、成清加奈子、西尾えつ子は “知る人ぞ知る” アイドルだろう。見方を変えると、2人はアニメソングを歌ったことで、数十年後にもこうして振り返られる存在になっているのだ。

【視点6】大作アニメ映画関連曲でデビューするアイドルの登場

80年代には大作アニメ映画が続々と公開される流れもあり、その関連楽曲をアイドルが歌うこともあった。

▶︎ 21位:映画『⾵の⾕のナウシカ』安⽥成美「⾵の⾕のナウシカ」(1984年)

▶︎ 152位:映画『少年ケニヤ』渡辺典⼦「少年ケニヤ」(1984年)

▶︎ 162位: 映画『アリオン』後藤恭⼦「ペガサスの少⼥」(1986年)

いわゆる角川三人娘の3本目の矢である渡辺典子のデビュー曲として「花の色」という曲と両A面扱いで『少年ケニヤ』主題歌が用意された。「少年ケニヤ」という作品が、当時の若者に刺さったかどうかは疑問だが、イケイケだった角川が大型新人のデビューにアニメ主題歌を選択したことは、注目すべき点だろう。

宮崎駿監督作品『風の谷のナウシカ』のイメージガールのオーディションでグランプリを獲得した安田成美は、1984年2月に「⾵の⾕のナウシカ」でデビューした。作詞が松本隆、作曲は細野晴臣とヒットメーカーによるこの曲は、オリコン週間チャートで10位のヒットに。

ただし、残念ながら映画では使用されることはなく、“シンボル・テーマソング” という扱いにとどまった。しかし、宮崎アニメのブランド力が今ほど絶大ではなかったこの時代に、映画公開日(1984年3月11日)に先駆けての安田成美が歌う「⾵の⾕のナウシカ」がヒットしたことは、映画のプロモーションに大きく貢献したのは間違いない。

安彦良和が原作・監督・キャラクターデザイン・作画監督を務めた『アリオン』は 1986年3月の公開だ。ここでも事前にイメージガールオーディションが行われ、優勝者の後藤恭子は、同年1月に「ペガサスの少女」で歌手デビュー。こちらはきちんと映画のなかで使用されていた。

【視点7】アニメが既存アイドルのタイアップ先の選択肢に

80年代の後半になると、すでに一定の知名度のあるアイドルがタイアップ先としてアニメをチョイスするケースがフツーに出てくる。今回ノミネートされた曲のなかでは、下記がそれに該当するだろうか。

▶︎ 57 位:『美味しんぼ』(日本テレビ系)中村由真「Dang Dang気になる」(1989年)

▶︎ 97位:映画『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』河合奈保⼦「MANHATTAN JOKE」(1985年)

▶︎ 143位: OVA『トップをねらえ!』酒井法⼦ 「アクティブ・ハート」(1988年)

▶︎ 116位:『がんばれ!キッカーズ』(日本テレビ系)⻄村知美 「君は流れ星」(1986 年)

▶︎ 197位:『ホワッツマイケル』(テレビ東京系)⼭瀬まみ 「マイケル⾳頭」(1988年)

中村由真は日本テレビ系のレコード会社VAPに移籍することで『美味しんぼ』の主題歌を歌うチャンスを掴んだ。「Dang Dang気になる」は当時、それほどヒットしていなかったが、近年シティポップの扱いでまさかの再注目を浴びることになった。第57位という順位はその影響だろう。

⼭瀬まみは歌手としては大きなヒットを出せなかったが、この時代はすでに “バラドル” として名声を得ており、そのキャラクターは『ホワッツマイケル』と相性がよかった。

【視点8】アニメはアイドルがセカンドキャリアを積む場のひとつに

80年代は、売れなかったアイドルがアニメの世界で成功するケースも生まれてくる。

▶︎ 15位:映画『天空の城ラピュタ』井上あずみ「君をのせて」(1986年)

▶︎ 60位:映画『となりのトトロ』井上あずみ「となりのトトロ」(1988年)

▶︎ 70位:OVA『トップをねらえ!』日髙のり子 / 佐久間レイ「トップをねらえ!~Fly High~」(1988年)

アイドルとしての日髙のり子はNHK『レッツゴーヤング』のレギュラーだったものの、伸び悩んでいた。そして、『タッチ』に声優として出演することで大きく道が開けたことは、この文章をここまで読んでいる方には説明不要だろう。そして、日髙のり子と入れ替わるように『レッツゴーヤング』に出演していた佐久間レイも、アイドルとしては芽が出なかったが、声優として大成した人物である。

宮崎駿監督作の主題歌が2曲エントリーされた井上あずみは “井上杏美” の芸名で1983年にデビューしたアイドルのひとりだった。前年にデビューした小泉今日子、堀ちえみ、早見優、石川秀美、中森明菜らがブレイクした余波で、83年組の井上杏美はマイナーな存在だった。しかし、数年後に『天空の城ラピュタ』主題歌を歌うチャンスを掴むことで、ファミリーソング、ホームソングのシンガーとして地位を確立。現在まで活動を続けている。この話題に関連して、この曲にも触れておきたい。

▶︎ 第191位:OVA『バリバリ伝説』荻野目洋子「スロープに天気雨」(1986年)

荻野目洋子は、ソロのアイドルとしてデビューする以前に、アニメ『みゆき』(フジテレビ系)のヒロイン役の声優をやっていた。また、上記の『バリバリ伝説』のヒロイン役の声優を務め、高中正義作曲の主題歌「スロープに天気雨」を歌った。これは、人気爆発のきっかけとなった「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」の次のシングル「フラミンゴ in パラダイス」のB面曲である。そのアニメ声優活動は翌年に公開された『バリバリ伝説』の映画版でストップしている。もし、荻野目洋子がアイドルとしてメジャーな存在にならなければ、声優の道に進んだ未来があったのかもしれない。

【視点9】80年代の最後にアニメとアイドルがWin-Winの関係に

80年代にガッチリ手を組んだアニメとアイドルだが、かといって、新人アイドルがアニメソングを歌ったことをきっかけに爆発的に売れた例はほとんどなかった。だが、80年代の最後の最後に、理想的な形で双方が成功したコラボがあった。

▶︎ 136位:『アイドル伝説えり子』(テレビ東京系)田村英里子「涙の半分」(1989年)

『アイドル伝説えり子』は、実在する新人アイドル・田村英里子とタイアップによるアイドルのサクセスストーリーを描いた作品だ。主人公の名前は田村えり子。声優こそ別人物だが、歌唱シーンでの曲はすべて田村英里子の曲が流された。これによって、田村英里子と田村えり子はイメージが重なる。作品はヒットし、制作者側はグッズ販売などで商業的な大成功を収めた。一方、田村英里子はシングルが続々とヒットチャートのトップ10入りするなど大きく飛躍した。当時、すでに “アイドル冬の時代” が到来していたこともあり、80年代アイドルを振り返るような場では名前が挙がりにくい。今回の総選挙でも100位以内に入れなかった。だが、田村英里子は冬の時代なりの人気アイドルだったのである。

カタリベ: ミゾロギ・ダイスケ

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