【日本ハム】遠い連勝…柏原純一氏が危惧する3番・万波、4番・マルティネスの〝過程〟乏しい打席

日本ハムで中軸を任されている万波中正(左)とマルティネス

【柏原純一「烈眼」】日本ハムは13日のオリックス(京セラ)に1―5で敗れ、5日以来の連勝とはならず。確かにオリックスの先発・宮城は、8回無失点と素晴らしい投球だった。

ただ、6回までは1点差。終盤7回に4点を失うまで試合は決していなかっただけに、日本ハムの打者の対応次第で「試合の流れも変わったのでは?」と思うシーンがいくつかあった。あくまで打席に向かうまでの「考え方」と「備え」の話であり「結果」を保証するものではないが〝要修正〟と感じたのは、3番・万波中正外野手(27)と4番・マルティネス捕手(27)だ。

万波は一死一塁の6回の打席だ。宮城の懐への真っすぐを狙っていたのだろう。初球の147キロがやや甘く入ってきたところを、強振したがタイミングが〝コンマ何秒〟か遅れ、打球はネット裏へのファウルとなった。これは考え方の備えさえできていれば、捉えることができていた感じる。

目を向けてほしいのは、一走が俊足・五十幡だった点。甘く入ったが、宮城がクイックで投げてきていた。そのため無走者だった前の2打席目より若干、タイミングを速める必要があった。初球から狙いに行った積極的は買うが、結果的にはほんの少し、状況判断が足りていなかった。

マルティネスに関しては、逆に「絶対に手を出してはいけない1球」をスイングし、凡退しただけに目を疑った。

5点差がついた8回一死一、三塁。3ボールからの4球目を果敢に狙うも、詰まった二飛に終わった。結論から言えばこの4球目は、どんなに甘い球であっても、100%「待て」だ。それは点差を考えれば、分かること。仮に本塁打だったとしても、2点差で同点にもならない。この場面で必要なのは、好機をさらに拡大させていくこと。相手からすれば、走者をさらにためることが最も嫌な結果。犠飛ならOKと割り切れる場面だった。

マルティネスは2回にも先頭で3ボールから打って、右飛に倒れた。好球必打はもちろん構わないが、何のための積極性か?チームが勝利するためのソレであるべきで、ただ自分が気持ちよく打つためだけであれば、それは積極性ではなく自己満足でしかない。両軍無得点だった2回ではOKでも、8回の場面は絶対にダメだ。チームが勝つための状況判断を最優先するべき場面だった。

開幕後も新庄監督の選手起用や打順は日々、手探りが続いている様子だが、2人に関しては3番(万波)と4番(マルティネス)で一貫している。それだけ、信頼を寄せているのだ。

結果で出るに越したことはない。だが、そうでない時でも、そこに行きつくまでの過程の段階から、指揮官の信頼にふさわしい姿を打席内で見せてもらいたい。(野球評論家)

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