【体操】新女王・宮田笙子 高い身体能力に加え〝天性〟のスキル「曲が流れていたら勝手に…」

パリ五輪での活躍も期待される宮田笙子

エースが持つ〝発想力〟とは――。体操の全日本個人総合選手権3日目(13日、群馬・高崎アリーナ)、女子決勝が行われ、予選トップの宮田笙子(19=順大)が合計109・798点で初優勝。「楽しんで最後まで試合することができた」と笑みを浮かべた。

今大会はパリ五輪代表2次選考会を兼ねた一戦。代表の5枠は今大会の得点を持ち点に争うNHK杯(5月)にて、上位4人とチーム貢献度で1人が選出される。真夏の祭典に向けた重要な戦いで、宮田は安定した演技を披露。最後の床運動に挑む前には「予選1位通過とかなかったので、最後に床の演技をするのはやっぱり緊張する。出し切ればいいと思うけど、こわばる部分もあった」というが、大きなミスなくまとめ切った。

天性の脚力を生かした床運動は宮田の持ち味の一つだが、表現力にも定評がある。かつての取材では「床だったらこの音にはこの動きやポーズ、表情が合うというのをパッと思いつくタイプ。曲が流れていたら、勝手に振りが出てくるので、いろんな表情を床の中でも出していきたいし、一番の自分らしさは笑顔」と証言。高い身体能力に加え、豊かな芸術性も兼ね備えているのだ。

NHK杯までは残り1か月あまり。パリ五輪の代表入りに向けて「ここで力を抜いていいわけではない。しっかり集中して、来月はもっといい演技を心がけて練習したい」。五輪では60年ぶりとなる団体総合でのメダル獲得へ、まずはエースとしての実力を証明する。

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