ハイブリッド車とガソリン車の燃費差は車種による
そもそもハイブリッド車とは、ガソリン車のエンジンと電力駆動の2つを動力源にした車種を指します。走行にかかるエネルギーを電力駆動がサポートするため、少ないガソリンでも長く走行できます。
一方ガソリン車は、ガソリン主体のエンジンのみで走行するタイプです。燃費性能は、車体重量やエンジンを始めとした各種パーツの性能に依存するといわれています。
そのため、「ガソリン車だから燃費が悪い」とは限りません。特に近年では、ガソリン車でも高燃費のモデルは多数存在します。ただし、現在でも多くの車種において、ハイブリッド車のほうが燃費がいいとされています。
ハイブリッド車とガソリン車の燃費を比較
ハイブリッド車とガソリン車の燃費を比較するために、それぞれの燃費やガソリン代について調査しました。以下の表は、国土交通省の「自動車の燃費性能に関する公表」を基に、トヨタ「ヤリス」、ニッサン「セレナ」、ダイハツ「ロッキー」のハイブリッド車の燃費値(WLTCモード)の平均と、140円/Lで100km走行した場合のガソリン代をまとめたものです。
なお、「WLTCモード」とは、市街地・郊外・高速道路の各走行モードで構成された国際的な燃費測定方法です。
表1
国土交通省「自動車の燃費性能に関する公表」を基に筆者作成
また、表2はトヨタ「ヤリス」、ニッサン「セレナ」、ダイハツ「ロッキー」のガソリン車の燃費値(WLTCモード)の平均と、140円/Lで100km走行した場合のガソリン代です。
表2
国土交通省「自動車の燃費性能に関する公表」を基に筆者作成
このようにハイブリッド車とガソリン車を比較すると、およそ1.4~1.6倍の燃費差が生じていることがわかります。
カタログ燃費と実燃費の差
「カタログ燃費」とは、メーカーが公式に発表している燃費値です。しかし、実際の走行ではカタログ燃費よりも少しだけ燃費性能が落ちます。なぜなら、個人の運転技術や道路状況によって燃費効率に変動が生じるためです。
一方「実燃費」とは、実際の走行で想定される燃費値です。車のガソリン代を計算する場合には、実燃費を参考にするのがよいでしょう。実燃費のデータは、メーカーや国土交通省でも公表されていませんが、カタログ燃費よりおよそ2~3割低いといわれています。
基本はハイブリッド車で問題ない
燃費重視で車を選ぶ場合、原則として電力駆動によるサポートのあるハイブリッド車が優秀です。長期的に使うなら、年間のガソリン代も大きく節約できるでしょう。
ただし、ハイブリッド車とガソリン車の燃費差は車種によって異なります。そのため車を選ぶ場合は、公式のデータを確認して燃費値を比較しましょう。
出典
国土交通省 自動車の燃費性能に関する公表(令和6年4月1日現在) (1)ガソリン乗用車(普通・小型)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー