「ゴミ臭さは消え去った」大谷翔平に懐疑的な目を向けていた米記者が手のひら返しの潔白支持!「ギャンブラーではない」

現地4月11日、米ロサンゼルスの連邦検察は、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平の元通訳である水原一平氏を銀行詐欺罪で訴追。いわゆる違法賭博スキャンダルはいよいよ最終局面を迎え、35ページに及ぶ訴状でその全容が明かされるに至った。翌日には水原容疑者が連邦地裁に出廷。ほどなくして条件付きでの保釈が認められ、5月9日の次回法廷で罪状認否が行なわれる予定だ。

訴状によると水原容疑者は大谷になりすまして銀行を欺き、1600万ドル(約24億5000万円)を超える巨費を口座から送金していた。当初送金額は「少なくとも450万ドル(約6億8000万円)」と報じられていたが、なんと実際はその3倍を上回る額だったのだ。違法賭博による純損失額が4068万ドル(約62億円)に達していた事実も公開され、日米のファンやメディアを驚かせた。

大谷の代理人であるネズ・バレロ氏や財務担当者らは当該口座にアクセスできなかった。水原容疑者は銀行口座にひもづく携帯電話番号とメールアドレスを自身のものへと変更し、バレロ氏らには「この口座に大谷は関与してほしくないと言っている」と嘘の情報を伝えて信じ込ませ、口座にある資金を思うがままに使い込んでいたという。

事件発覚から1週間が経過し、大谷は会見で身の潔白を主張した。だが質疑応答がなかった点や、「なぜ水原容疑者は口座にアクセスできたのか」「本当に大谷は送金を知らなかったのか」など懐疑的な論調で糾弾する米メディアは少なくなかった。

だが今回の連邦検察の訴追を受けて、そうしたムードもようやく下火となった印象だ。地元紙『Los Angels Times』のビル・プラシュケ記者は「ショウヘイ・オオタニの正当性が証明された。ギャンブラーとしてではなく、野球界のスターとしての伝説は続く」と題したコラムを寄稿。大谷会見直後のコラムで同記者は「まだしっくりこないし、意味が分からない。このギャンブルのゴミ箱のなかはまだ何か臭いんだ」と強い疑念を示していたが、今回のコラムでは一転。「これでもう臭さは消え去った。多くの疑問が解消され、ゴミ箱は隅に追いやられた」と大谷の潔白を支持した。
さらにプラシュケ記者は「チーム大谷」の不手際と危機管理能力を批判。「なぜオオタニのビジネスチームはミズハラの口座アクセスを許したのか? 本当に信じられないことだ。歴史上類を見ないほど弱腰で価値がないアドバイザーたちである」と切り捨て、「オオタニは今すぐ家を掃除する必要がある。迎合するばかりの代理人ネズ・バレロと危機管理を担当する者たちを即刻解雇すべきだ」と主張した。

そしてコラムの最後では「法廷を取り囲む喧噪をよそに、パドレスとのゲームに臨む男は狂気とは無縁である。ショウヘイ・オオタニはかつてないほど強く、かつてないほど脅威で、かつてないほど弾丸のようだ」と現在の活躍ぶりを称え、「伝説は続くのだ」との一文で締めた。

構成●THE DIGEST編集部

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