田中樹に漂う危険な魅力 『ACMA:GAME アクマゲーム』斉藤役は“人見知り”の一面も?

4月7日より日本テレビ系にて放送がスタートした日曜ドラマ『ACMA:GAME アクマゲーム』。本作は、4月26日からは150以上の国と地域において世界配信されることが予定されており、日本テレビが仕掛ける大型プロジェクト企画の1つとして注目されている。

そんな本作で2番手として名前が挙がっているのは、SixTONESの田中樹だ。本稿では、間宮演じる主人公・織田照朝の中学時代の同級生・斉藤初役を務める田中にフォーカス。彼がナンバー2として、どのような演技を見せてくれるのかを考察したい。

SixTONESといえば、2024年1月、映画『すずめの戸締まり』にて、第51回アニー賞・声優賞長編アニメ部門にノミネートされた松村北斗を筆頭に、『新空港占拠』(日本テレビ系)にて新たな一面を見せたジェシーなど演技班が多く所属している。2024年4月期に関して言えば、京本大我が『お迎え渋谷くん』(カンテレ・フジテレビ系)にて、森本慎太郎が『街並み照らすヤツら』(日本テレビ系)にて主演に抜擢。アーティストとしてはもちろん、グループのメンバーそれぞれの個人での活動にも常に注目が集まっている印象だ。

そんなSixTONESメンバーの中での田中といえば『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)では毎週パーソナリティを務め、コンサートや音楽番組、YouTubeなどのグループ活動の際にはMCを任されることも多い印象。自由奔放なメンバーたちをうまくコントロールし、滞りなく進行する手腕は目を引くものがある。

言うまでもなく、その器用さは、グループでの活動に限ったことではない。バラエティ番組に目を向けると、ダウンタウンの浜田雅功がMCを務める『ハマダ歌謡祭★オオカミ少年』(TBS系)にレギュラー出演。そのほか、トーク番組などにゲスト出演した際には「浮気する可能性はゼロではない」「永遠の愛を誓えないんです。 愛し続けるって約束をできない」といった歯に衣着せぬ発言が度々話題に。この影響から、バラエティでの活躍ぶりが印象深い方も多くいるだろう。

しかし、実は俳優としてのキャリアはすでに10年以上。キャリア初期を振り返ると、レギュラー出演した『私立バカレア高校』(日本テレビ系)や『スプラウト』(日本テレビ系)ではクラスにいたらモテそうな男子高校生を等身大で演じていた印象がある。

そこから約10年の時を経てイメージを一変させたのは2021年放送のドラマ『うきわ -友達以上、不倫未満-』(テレビ東京系)での田宮悠役。ここで田中は、二葉一(森本直太朗)の妻・聖(西田尚美)が足繁く通う「桜が丘陶芸教室」の講師であり、聖の不倫相手役を好演。“モテそう”という軸はそのままに、一度ハマったらなかなか抜け出せない柔らかい雰囲気でありながらも沼感の強い男性へとパワーアップさせた。

そんな沼感、触れてはいけない危険な香りをさらに濃密にしたのが、昨年10月期に放送された『単身花日』(テレビ朝日)でのこと。ここで田中は一見チャラついているものの、ミステリアスな一面も多いキーマン・片山直哉を担当。スピンオフドラマ『単身花盛り 花の男――片山直哉』(TELASA)では主演も務め、田宮とはまた別の意味での危険な魅力を振り撒いたのであった。

しかし、放送中の『ACMA:GAME アクマゲーム』では、そのイメージをさらに一変させている。田中が演じる斉藤は照朝のことを一番の親友として信頼する一方で、一歩先を行く照朝へのライバル意識を常に感じており、努力を重ねてきたという役どころ。ベンチャー企業「u.u.エンジニアリング」を立ち上げ、古川琴音演じる優秀なプログラマー・眞鍋悠季が開発した生成AIシステムのビジネスを成功させるために、日々奮闘しているキャラクターなのだが、第1話を見たところによると、今まで以上に好青年な印象が強い。

特に印象的だったのは、プレゼン前に緊張して貧乏ゆすりが止まらなくなるシーン。普段はどーんと構えているものの「ドラマ共演者との初対面時には過度な人見知りをしてしまい、変なかまし方をした結果、居方を間違えてしまう」とラジオで悩みを告白した田中の繊細な一面と重なって見えたのは筆者だけではないだろう。

また、悠季に向けた優しくて柔らかな表情と、照朝に見せる少々手厳しい表情の差は見事。親友でありながらも「追いつきたい!」の気持ちを拭いきれない複雑な心の内を、限られた出演時間で的確に表現していた。

公式サイトによると、ゆくゆくは斉藤もアクマゲームに巻き込まれていきそうな予感。おそらく、MCとして見せている田中のクレバーな一面や、繊細さも見れるのではないだろうかと期待してやまない。

まだまだ斉藤の性格や心の内が掴みきれなかった『ACMA:GAME アクマゲーム』第1話。今後の放送で、田中はどんな“斉藤初”を作り上げてくれるのか注目していきたい。
(文=於ありさ)

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