「血まみれでKOを狙う! さもなければ強奪される…」“悪童”ネリが母国メディアに語った悲壮な決意。井上尚弥戦へ下馬評の低さも「モチベーションになる」

通算26勝0敗(23KO)と文字通り敵なしの強さを誇り、日本ボクシング界に数々の金字塔を打ち立ててきた世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)。5月6日には、東京ドームでWBC同級1位のルイス・ネリ(メキシコ)と戦うが、この試合に向けては、やはり対戦相手も熱い闘志を燃やしているようだ。

過去に日本のボクシング界とさまざまな因縁を残してきたネリ。2017、18年には、山中慎介から連勝を収めるも、その初戦で禁止薬物の使用が発覚し、再戦も体重オーバーで王座剥奪というトラブルを引き起こした。そんなメキシコの“悪童”は現地4月11日、運命のゴングが迫る井上戦に向けて意気込みを語ったという。

母国メディア『RECORD』によれば、自身が所属するザンファー・プロモーションの会見に臨んだネリは、「KOするしかない」と宣言。「いいボクシングをし、自分の素晴らしいスタイルを発揮したい。この試合は、血まみれになってでも、KOを狙うべきだと思う」と悲壮な決意を述べ、さらに「さもなければ(KOしなければ)日本では試合を強奪されてしまうからだ」とも語っている。日本開催による井上のホームアドバンテージも警戒しているようだ。

下馬評では井上優位という見方は強いが、「それが俺に強さと勝利へのモチベーションを与えてくれる」ともコメント。その後も「俺には才能がある」と自信をにじませ、「勝てば、最も偉大な功績の一つになる。彼(井上)はパウンド・フォー・パウンドのナンバーワンファイターとみなされているから」と力を込めていた。

また会見内でネリは、昨年12月のマーロン・タパレス(フィリピン)戦を分析し、「違いはパンチだ。タパレスはしっかりしたパンチを持っていないし、俺にとってBクラスのファイター」とコメント。井上戦まで残り1か月を切り、ますます熱気が高まっている印象だが、はたしてこの大一番はどのような結末を迎えるだろうか…。

構成●THE DIGEST編集部

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