夫・妻たちに聞いた!“家庭内別居”の始まり #1「衝突が増えたきっかけは…」

夫婦として同じ屋根の下で暮らしていても、配偶者への気持ちや環境の変化が理由で同じ空間で過ごすのを避けるのが家庭内別居。

一緒にいないことが当たり前になると、そこから離婚に発展するほど気持ちが離れてしまうこともあります。

一方で、好きで家庭内別居を選んだわけではない、という夫婦も多いもの。

別々で過ごすきっかけはどこで生まれるのか、夫・妻たちに聞いてみました。

「息子が保育園に入園できて、仕事に復帰したのはよかったものの、それから夫と意見の食い違いで衝突することが増えました。

園の送迎や日々の買い物などは『そのとき空いているほうがする』という約束ですが、お互いにフルタイムの勤務なのでどちらかが無理をすることもあって。

私は会社と相談して、時短はしないけど残業はなるべく入れない方向で何とか送迎の時間に間に合うように行けているのですが、どうしても仕事を抜けられないときに夫にお願いすると『会社の人に子どもを迎えに行くからって言いづらい』など、言い訳が返ってくるのですよね。

そんなのこっちも同じだし、『私も疲れているから、じゃあ買い物だけ頼んでもいい?』と譲歩しても『ついでに行けるだろう』と断られるとカチンときて、『私の苦労も考えてよ!』と言ってしまいます。

あるとき、こんな感じでLINEで険悪なやり取りをしたまま帰宅したら先に帰っていた夫は不機嫌丸出しで、『迎えに行ってくれればいいのに』と言ったら『そんなのどこも母親の役目だろう』と返されて大喧嘩になって。

夫は『男と女は違うんだ』『仕事に責任があるんだ』と送迎をやめると言い出し、腹が立ってその日は私が実家の親が来たとき用の和室で寝ました。

次の日も夫の機嫌は直らず、私も折れる気にはなれなくて、そのまま別々で寝る日々が続いています。

子どもの送迎は私がやり、夫は買い物もしなくなったので私が行くしかなく、毎日本当に大変です。口をきかなくなった夫のために食事を用意するのも馬鹿らしくなって、最近は惣菜を置いて私は子どもと勝手に食べています。

完全に家庭内別居だなと自分でもわかっていますが、夫の身勝手さは許せないし、このまま結婚生活を続けられるかどうかわかりません」(女性/34歳/営業)

喧嘩を引きずってみずから寝室を出てしまい、戻るタイミングが掴めずにそのまま別々に過ごすのが当たり前になる、というパターンです。

本当なら問題の解決を話し合うのが正しい筋といえますが、怒りや不満が強いとその気になれず、また配偶者のほうもかたくなな姿勢を取れば溝は深まる一方です。

家庭内別居が互いの嫌悪から始まる場合、改めて同じ空間で過ごすことを決めるのは相当の覚悟がいるもの。

それをいつ持てるか、今後の関係は夫婦の愛情と信頼が大きく作用します。

(ハピママ*/ 弘田 香)

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