白鷹町高玉地区に200年以上伝承されている町無形文化財「高玉芝居」が13日、同町の釜の越農村公園で上演され、満開の桜の下に設けられたステージで、役者たちがアドリブたっぷりの義理人情劇を繰り広げた。
高玉芝居は粗筋だけの台本を軸に、せりふや立ち回りに即興の演技を利かせるのが特徴。地元有志の劇団「高栄会」(児玉敏座長)が継承している。
この日の演目「花吹雪 情けの夜桜」は、江戸へ奉公に出ていた男が15年ぶりに国元へ帰る途中に襲われ、死に際に立ち会った主人公が「自分の代わりに親孝行を」との依頼を引き受ける―との物語。男の妹を助け出す大立ち回りは迫力満点で、大勢の観客を沸かせた。上演中、観客が役者にビールを差し入れる場面では笑いが起きていた。
訪れた人は「やっぱり生の演技はいい」「素晴らしい桜も見られてよかった」などと話していた。しらたか古典桜の里さくらまつりの一環で実施した。