「坪単価が安いから」と飛びつくと大損も…注文住宅の価格の「正しい確認方法」【一級建築士YouTuberが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

注文住宅は建売住宅よりもコストがかかります。注文住宅の購入を考えている人は、だいたいどれくらいの価格で建つのか、気になるところでしょう。本記事では、『後悔しない家づくりのすべて』(サンクチュアリ出版)の著者げげ(⾦⾕尚⼤)氏より、注文住宅の価格目安や、判断にまつわる注意点などについて詳しく解説します。

注文住宅っていったいいくらで建つの?

建売住宅よりもコストがかかる、注文住宅。だいたいどれくらいの価格で建つのか、気になるところでしょう(以下で扱う価格は、建物本体価格ではなく、総額のイメージです。「土地以外にかかるコストすべて」と思ってください)。

建物面積30坪程度の場合、一般的に「ローコスト」といわれる注文住宅は、2,000〜2,500万円です。この価格帯でも、間取りや外観などは自由度高く選べますが、個人的な感覚でいうと、断熱性や気密性といった性能面をしっかり担保するにはやや心もとない予算です。

2,500〜3,000万円という価格帯は、大手ハウスメーカーで建てるほどの予算はないけれど、地場の工務店や設計事務所で、それなりの性能の家を建てようとすると必要となる予算といえます。ちなみに、高性能とデザイン性を両立してくれる優良な工務店や設計事務所の家づくりも、ほとんどがこの価格帯で行われます。

そして、大手ハウスメーカーという選択をする場合、価格帯は3,000〜3,500万円と、4,000万円前後と2つに大きくわかれており、その付近の金額に着地することが多いようです。

[図表1]注文住宅の価格の目安

「坪単価」が安いからと、安易に飛びつかない!

注文住宅の価格の目安としてよく用いられている単位に、「坪単価」があります。この坪単価、どのように定められているのかといえば、実は明確な定義が存在せず、会社によってまちまちです。

坪単価は「建物本体価格」を示すものですが、たとえばキッチンや照明、ガス工事といった確実に必要な費用を、この本体価格に入れるかどうかは、会社ごとの判断になります。明らかに必要な要素であっても、坪単価に含めずに済ませれば、価格をかなり下げて見せることができます

そうしたチラシや広告に「安い!」と飛びついて、契約後に何百万円もの別途費用が発生するのを知ったとしたら、どうでしょう。実際にこうしたトラブルは、あとを絶ちません。

建物の費用を考える場合には、「坪単価」ではなく、「建築費用の総額」を把握しなければ、意味がありません。本体価格と、必要な付帯工事を含めた総額を、必ず確認するようにしましょう。

[図表2]なぜ「坪単価」は比較材料にならない?

げげ(⾦⾕尚⼤)

⼀級建築⼠事務所げげ代表

一級建築士YouTuber

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