走らない“ランナー”が大活躍!人込みでタイガーを撮影するには?/マスターズの現場から

凸凹コンビ!? ※撮影は練習日(撮影/谷口愛純)

◇メジャー第1戦◇マスターズ 3日目(13日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)

神聖なゴルフの祭典は、カメラマンだってロープの中には入れません。他の大会とは違って、ギャラリーの皆さんと同じ場所から隙間を縫って撮影します。ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)の身長158cmと小柄な高薮望(たかやぶ・のぞみ)カメラマンは、時にはギャラリーの足の間から「失礼します!」なんてことも、あったりなかったり。

人込みがすごい(撮影/高藪望)

特に大変なのがタイガー・ウッズの組。いつ、どんな成績であっても、人の輪が二重、三重…十重くらいで、方向転換さえも一苦労。お客さんの邪魔になるから、カメラを頭上に掲げて撮るのも禁止されています。さあ、どうする高薮カメラマン!

そんな時に頼りになるのが「ランナー」さん。といっても、マスターズは誰であっても会場内で走るの禁止(ルールが多い!)。「ランナー」は大会が用意してくれるカメラマンのアシスタントの通称で、撮影するスペースを確保したり、荷物を持ったりしてくれる。昔は、撮影後のフィルムを外部に送るために、ダッシュできたからランナーって言うんだって。

こちらが走らないランナーさん(撮影/高藪望)

こちらが高薮カメラマンのランナー、ジェームズ・ステレットさん。2017年からGDOをサポートしてくれているベテランで、かなりのゴルフオタク。撮影する斜め後ろで、近くを通る選手の名前とプロフィールを「Siri」並みにささやいてくれるやり手です。

カンカン帽が目印です(撮影/高藪望)

カメラマンがティショットを撮影している間に、セカンド地点までずんずん歩いて撮影場所をキープ。歩くのがめっちゃ速いからすぐ見失うけど、身長2m超えのナイスガイがカンカン帽を振ってくれるので、割とすぐに見つけられる。少しでも人がいない場所を見つけて教えてくれるから助かります。

ジェームズスポット撮影の12番(撮影/高藪望)

“ジェームズスポット”で撮影したら、12番グリーンがこんなにキレイに撮れました。

ちなみにランナーさんは、別に写真の勉強をしている人ばかりではありません。ジェームズは医療関係の営業が本業で、ほかには21歳・自営業の社長さんなんて人も。オーガスタ近隣の学校に大会側が募集をかけたり、紹介で採用されるらしい。

背後は守ります ※撮影は練習日(撮影/谷口愛純)

ところで、高薮&ジェームズコンビは同い年!小柄な高薮カメラマンがジェームズを従えて撮影する姿、ちょっとたくましくないですか。(ジョージア州オーガスタ/谷口愛純)

歩くのめっちゃ速い(撮影/高藪望)

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