【皐月賞】直近10年で5勝の共同通信杯組が王道 ローテーションに見られる特徴は

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データ上の王道は共同通信杯組

4月14日に中山競馬場で開催される皐月賞(GⅠ・芝2000m)。牝馬による76年ぶりの皐月賞制覇に挑む2歳GⅠ馬レガレイラやJRA・最優秀2歳牡馬ジャンタルマンタルを筆頭に、優先出走権組(スプリングS勝ち馬シックスペンスのみ不出走)や別路線の毎日杯、共同通信杯、きさらぎ賞、京成杯勝ち馬などが集結した。今年の牡馬クラシックは相手関係が未知数なメンバーが多く、大混戦の様相を呈している。

ここではローテーションに見られる特徴から好走パターンを探っていく。データは過去10年分を使用する。

まず大前提として押さえておきたいのは、「前走連対」が【10-9-8-83】で戴冠への必須条件であるということ。その内訳は1着【7-8-6-53】複勝率28.4%、2着【3-1-2-30】同16.7%で前者の方がよい。以降ではこの「前走で連対」に条件を絞ってデータを見ていく。

非トライアルだがデータ上の王道は共同通信杯組で【5-0-2-7】勝率35.7%、複勝率50.0%と抜群。21年エフフォーリア、22年ジオグリフの雄姿は記憶に新しい。共同通信杯は例年、メンバーレベルが高く、ここで上位なら皐月賞も通用するといった構図だ。メンバーレベルの裏付けとして提示したいのが「共同通信杯1~5着馬の日本ダービー成績(過去10年)」でその成績は【3-4-3-15】連対率28.0%、複勝率40.0%。あくまでも過去の傾向ではあるが、世代の頂点に近い路線であるという事実は頼もしい。

また、勝ち馬5頭には「2番人気以下」という共通点があり、故に単勝回収率381%と妙味がある点も魅力。勝ち馬を除いた9頭についても1番人気だったのは1頭のみと、「共同通信杯組」という枠で過度に人気することはなさそうだ。今年は1着ジャスティンミラノ、2着ジャンタルマンタルがともに参戦。後者は朝日杯FS優勝馬であり、勝利したジャスティンミラノともども有力候補であることは間違いない。

続いては同舞台の2歳GⅠ・ホープフルSからの直行組について。母数こそ少ないが【2-0-0-2】と好相性のローテで、1着なら【2-0-0-1】とさらに良い。今年は1着レガレイラが参戦。昨年のホープフルSは2着シンエンペラー、6着シリウスコルトがのちに弥生賞で2、3着と活躍。その他にも5頭が次走以降の芝レースを勝利しており、ここを完勝した実力は今回のメンバーでも間違いなく上位だろう。

トライアル組にも目を向けると弥生賞組が【0-4-1-12】複勝率29.4%と勝ち馬こそいないが、近3年で好走馬を出し続けており、安定傾向にある。今年の1着コスモキュランダは上述したホープフルS2着シンエンペラーに0.2秒差をつけてのレースレコード勝ちを挙げたダークホース的存在。鞍上には来日初週から桜花賞含む重賞2勝のJ.モレイラ騎手を配しており、一発があっても不思議はない。

同じ中山でのトライアル・スプリングSは【1-1-2-13】複勝率23.5%。0.6秒差圧勝のシックスペンスが不出走であるのは残念だが、ここで注目したいのは2着に敗れたアレグロブリランテ。同レース2着馬は【1-1-0-6】連対率25.0%、18年にはエポカドーロが7番人気で激走Vを果たしている。今年は混戦模様なだけに押さえて損はないだろう。



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